東京商工会議所は、同所が主催した「会員企業と学校法人との就職情報交換会」に参加した企業310社を対象に、「新卒者の採用・選考活動動向に関する調査」を実施し、結果を取りまとめ発表した。調査結果によると、採用計画人数に対する充足率が50%未満の企業が5割弱(48.3%)を占めており、内々定者がいない企業が約2割(19.6%)を占めるなど、企業が新卒採用に苦戦している様子がうかがえる。
2024年新卒者の採用・選考活動の終了予定時期をみると、企業が新卒採用に苦戦している様子がうかがえる中で、2024年1月以降も採用・選考活動を実施する予定の企業が3割(30.7%)を占めている。3割弱(28.0%)の企業が「未定・分からない」と回答していることから、多くの企業が2024年新卒者の採用・選考活動の終了予定時期を見通せない状況にあることがうかがえる。
2023年新卒者の採用・選考時と比較した2024年新卒者の採用・選考人数の増減について、「会社説明会(リアル)の参加人数」(40.2%)、「会社説明会(オンライン)の参加人数」が「減少」(39.9%)したと回答した企業が4割を占めている。また、「エントリー数」(51.4%)、「採用選考応募者数」(50.9%)が「減少」したと回答した企業が5割を占めていることから、多くの企業が新卒採用・選考の母集団形成に苦戦している様子がうかがえる。
若年者を含む有為な人材の確保・定着に向けた直近1年間における取組の実施状況は、約6割(59.8%)の企業が「初任給の引上げ」、「全社員を対象とした賃上げ」を挙げている。「直近1年間に実施していないが、今後実施したい取組み(実施予定を含む)」を合わせると、「賞与、手当の引上げ」、「福利厚生の充実」を含めた項目はいずれも8割前後から9割に達していることから、多くの企業は処遇面の充実に努めていることがうかがえる。
また、5割強(52.8%)の企業が「人材育成・研修制度の充実」を、4割強の企業が「社員の自己啓発への支援強化」(42.8%)、「オフィスや工場など職場の環境整備」(43.2%)を挙げている。「直近1年間に実施していないが、今後実施したい取組み(実施予定を含む)」を合わせると、これらの項目はいずれも8割から9割に達していることから、多くの企業は人材育成・能力開発や、職場の環境整備に努めていることがうかがえる。
同調査結果は