後継者「不在率」、過去最低の53.9%と改善傾向続く

 日本企業の「後継者問題」は改善傾向が続いている。帝国データバンクが2023年の全国・全業種約27万社における後継者動向について調査した結果、後継者が「いない」、または「未定」とした企業は14.6万社にのぼった。この結果、全国の後継者不在率は53.9%となり、調査を開始した2011年以降、過去最低を更新。6年連続で前年の水準を下回ったほか、コロナ前の19年からも11.3ポイント低下するなど、大幅な改善傾向が続いた。

 2023年の後継者策定動向は、引き続き50~60歳の「現役世代」を中心に大幅な低下傾向が目立った。「50代」の後継者不在率は60.0%と、全国平均に比べて高いものの、前年からの低下幅は全年代で最大となる▲5.7ポイント減。事業承継の適齢期にあたる「60代」も50代に次いで低下幅が大きく(▲4.9ポイント減)、初めて40%を下回った。「70代」(29.8%)も初めて30%を下回った。また、全年代で後継者不在率は過去最低を更新した。

 業種別では、全業種で前年を下回ったほか、「建設業」を除く6業種で不在率60%を下回った。また、全業種で不在率が70%を下回るのは2022年に続き3年連続となり、全業種で過去最低を更新した。23年の不在率が高いのは建設業(60.5%)となったものの、最も高かった 2018年(71.4%)からは10.9ポイント低下した。「製造業」(45.5%)は全業種で最低だった。

 2019年以降の過去5年間で行われた事業承継のうち、前経営者との関係性(就任経緯別)をみると、23年(速報値)の事業承継は血縁関係によらない役員・社員を登用した「内部昇格」によるものが35.5%に達した。これまで最も多かった身内の登用など「同族承継」(33.1%)を上回って、事業承継の手法として初めてトップとなった。事業承継は親族間承継の急激な低下を背景に「脱ファミリー」の動きが加速している。

 後継候補が判明した全国約12万社の後継者属性をみると、最も多いのは「非同族」の37.5%で、2022年調査に続き、後継者候補は「非同族」が2年連続でトップとなった。「子ども」の割合は 33.1%。「内部昇格」や「外部招聘」によって社長に就任した企業では、後継候補を「非同族」とした割合が8割超と高く、特に外部招聘では非同族の割合が9割を占めるなど、社外の第三者を経営に招き入れる傾向が強まっている。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231108.pdf