博報堂生活総合研究所は、2015年から毎年秋に、翌年の景況感などについて全国の20~69歳男女3900人に予想してもらう調査を実施しているが、このたび最新の調査を加え、“2024年生活気分”としてまとめた。今回の調査結果では、来年の景気が「悪くなる」は前回より減少したものの、コロナ禍1年目(2020年調査)と同程度の高い水準を維持しており、「悪くなる」が「良くなる」の2倍以上となった。
今年の「世の中の景気」実感は、「悪かった」が56.9%と、前回調査(66.1%)より-9.2ポイントとなり、4年連続で減少した。来年の「世の中の景気」予想は、「悪くなる」が36.2%で、スコアが大幅に増加した前回 (44.9%)より-8.7ポイントと減少した 。一方、「良くなる」(14.7%)は前回(12.1%)より+2.6ポイントとやや増加しているものの、「悪くなる」のほうが2倍以上のスコアとなっている。
来年の景気予想の理由(自由回答)を集計したところ、「悪くなる」と思う理由では「物価上昇の継続・加速」(44.6%)、「良くなる」と思う理由では「経済の好転」(18.2%)がそれぞれトップとなった。コロナ禍の収束や物価上昇の落ち着きを期待して、経済の好転を予測する一方、物価上昇がそれを上回る影響を及ぼし、来年も景気が悪くなると考えている生活者が多いようだ。
今年の「世の中の変化」実感は、「多かった」が37.2%、 「少なかった」が11.1%と、ともに前回から大きな変動はない。来年の予想は、「多くなる」が前回から-3.2ポイントとやや減少して33.5%と、3年連続での減少となった。来年「多くなる」と予想する変化(自由回答)をみると、「物価上昇の継続・加速」(20.0%)や「国際情勢の変化」(7.0%)など、ここ数年間で特に問題視されている変化が、さらに続くと予想する声が多くみられた。
「来年お金をかけたいもの(全25項目)」の上位は、「旅行」(26.9%)、「貯金」(21.9%)、「ふだんの食事」(19.3%)。上位2項目は「今年お金をかけた」を上回っており、その差分は「貯金」で+7.1ポイント、「旅行」で+3.0ポイント。ほかにも、8位「老後の暮らしの準備」(来年10.8%、今年6.7%、差+4.1ポイント)、6位「株など投資」(来年13.3%、今年10.5%、差+2.8ポイント)などで今年より来年の意向が高くなっている。
「来年始めたいことがある」人は28.1%、「来年やめたいことがある」人は18.9%で、前回調査から大きな変化はみられない。「始めたいこと」では、「運動・体操・筋トレ」(33.2%)がトップで、「副業」(27.1%)、「投資・資産運用」(25.9%)と続く。一方、「やめたいこと」は、「無理しての人付き合い」(32.9%)、「無駄遣い・衝動買い」(32.2%)、「スマートフォンの使いすぎ」(27.9%)が上位となった。
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