信用保証利用企業の資金繰りはやや悪化~日本公庫

 日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に9月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4125社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2023年7~9月期実績ではマイナス幅が前期から1.7ポイント拡大の▲13.1と、中小企業の資金繰りはやや悪化した。来期2023年10~12月期はマイナス幅が同5.0ポイント縮小の▲8.1と改善する見通し。

 また、今期(7~9月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比0.5ポイント増の18.1%とやや増加。従業員規模別にみると、「0~20人」が同0.8ポイント増の17.3%、「21人以上」は同▲0.5ポイントの23.6%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同▲2.9ポイントの38.1%、「1千万円超5千万円以下」が同1.9ポイント増の42.1%、「5千万円超」が同2.0ポイント増の20.4%で、平均借入金額は4595万円だった。

 今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比2.1ポイント増の60.5%とやや増加。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同0.3ポイント増の46.8%とほぼ横ばい、「一部利用」は同1.8ポイント増の13.7%となった。来期(10~12月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同▲0.1ポイントの▲1.2と横ばいとなった。

 一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比4.0ポイント拡大の▲5.4となった。来期はマイナス幅が11.4ポイント縮小して6.0とプラス超が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同3.7ポイント拡大の▲15.7となり、来期はマイナス幅が同12.9ポイントと大幅縮小の▲2.8の見通しとなっている。

 なお、ゼロゼロ融資の借入状況については、「利用中(元金返済は未開始)」を除き、いずれも前回調査(1~3月期)と比べ増加。中でも「利用中(元金返済中)」は69.3%と前回調査と比べ8.1ポイント、「借換を行わずに完済」は4.7%と同3.8ポイント増加している。ゼロゼロ融資とは、2020年5月に創設された民間金融機関における実質無利子・無担保のコロナ関連融資のことであり、国が保証料補助・利子補給を行う融資制度。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/hosyouyouyaku218.pdf