10月の企業倒産件数790件、今年2番目の高水準に

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、10月の倒産件数は790件で、前年同月比33.0%増と、18ヵ月連続で前年同月を上回り、3月(800件)に次いで今年2番目に多かった。2023年1~10月の累計件数は6918件となり、すでに2022年通年(6376件)を上回り、コロナ禍前の水準に近づいている。また、前月に比べると+16.3%増となり、2ヵ月ぶりに増加した。

 一方、負債総額は3055億8400万円(前月6951億1000万円、前年同月806億2600万円)となり、前月比では▲55.8%だったものの、前年同月比では279.0%の大幅増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。これは、ガイアグループの大型倒産が全体を押し上げたことが要因で、今年2番目に多かった。10月の負債額トップは、そのガイアグループの一つ、パチンコホールの(株)ガイヤ(民事再生法、東京都)の943億円だった。

 業種別にみると、全7業種で前年同月を上回った。『サービス業』(前年同月139件→187件、34.5%増)が最も多く、『小売業』(同131件→165件、26.0%増)、『建設業』(同97件→162件、67.0%増)が続いた。『建設業』は10月としては9年ぶりに160件を超えて今年最多を記録し、全体の件数を押し上げた。増加率で最も高かったのは『不動産業』(同17件→30件、76.5%増)だった。

 負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が481件(前年同月337件、42.7%増)で最も多く、全体の60.9%を占めた。一方、50億円以上の倒産が13件(同2件、550.0%増)発生し、2011年12月(11件)以来、11年10ヵ月ぶりに10件を上回るなど大型倒産の増加が目立った。資本金規模別では、『個人+1000万円未満』の倒産が551件(前年同月412件、33.7%増)となり、全体の69.7%を占めた。

 地域別にみると、9地域中8地域で前年同月を上回った。『関東』(前年同月194件→302件、55.7%増)は、2020年7月(315件)以来3年3ヵ月ぶりに300件を超えた。最も増加率の高かった『中国』(同23件→38件、65.2%増)は、「建設業」(同5件→12件)などで増加が目立った。『近畿』(同138件→186件、34.8%増)は、13ヵ月連続で前年同月を上回り、「大阪」(同68件→92件)の増加が目立った。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2310.html