22年の年次有給休暇の取得率は過去最高の62.1%に

 厚生労働省が常用労働者30人以上を雇用する民間企業を対象に1月1日現在の状況で実施した「就労条件総合調査」結果(有効回答数3768社)によると、2022年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は労働者1人平均17.6日(前年17.6日)、そのうち労働者が取得した日数は10.9日(同10.3日)で、取得率は62.1%(同58.3%)となり、取得日数は過去最多(1984年以降)、取得率は過去最高(同)となったことが分かった。

 取得日数や取得率の上昇は、2019年4月から年5日の有給の確実な消化が企業に義務付けられたことが影響しているとみられる。労働者1人当たりの平均取得率を企業規模別にみると、「1000人以上」が65.6%、「300~999人」が61.8%、「100~299人」が62.1%、「30~99人」が57.1%。産業別にみると、「複合サービス業」が74.8%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が49.1%と最も低くなっている。

 2022年における1日の所定労働時間は、1企業平均7時間48分(前年7時間48分)、労働者1人平均7時間47分(同7時間47分)と前年と変わらない。また、主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は85.4%(同83.5%)、このうち、「完全週休2日制」を採用企業割合は53.3%(同48.7%)。年間休日総数の1企業平均は110.7日(同107.0日)、労働者1人平均は115.6日(同115.3日)だった。

 賃金制度をみると、時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は86.4%(前年85.3%)となっており、このうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は94.3%(同92.8%)、「26%以上」とする企業割合は4.6%(同6.1%)。時間外労働の割増賃金率を「26%以上」とする企業割合を企業規模別にみると、「1000人以上」が19.2%、「300~999人」が12.5%、「100~299人」が6.5%、「30~99人」が2.9%だった。

 時間外労働の割増賃金率を定めている企業のうち、1ヵ月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合は33.4%(前年30.0%)、このうち時間外労働の割増賃金率を「25~49%」とする企業割合は33.3%(同44.7%)、「50%以上」は64.5%(同 54.0%)。1ヵ月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率を定めている企業割合を中小企業該当区分別にみると、「中小企業」が29.6%、「中小企業以外」が56.6%だった。

 同調査結果の概況はhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/dl/gaikyou.pdf