中小企業の人手不足が深刻化する中で、「労働生産性のさらなる向上」が課題となっている。課題解決に向けた手段の一つとして、いま注目されている「従業員のリスキリング」は、業務効率化や採用コストの抑制など様々な効果が期待されている。「従業員のリスキリング」は、技術革新やビズネスモデルの変化に対応するために、業務上必要とされる新しい知識やスキルを学ぶこと。
大同生命が全国の中小企業経営者を対象に実施した「従業員のリスキリングに関する調査」結果(有効回答数7314社)によると、「リスキリング」の認知度は24%にとどまった。従業員規模が小さい企業ほど、認知度も低い。また、「リスキリングが必要」と回答した企業は71%となった。一方で、実際にリスキリングを「推進している」企業は19%にとどまり、「リスキリングは必要」とした企業でも、実際に推進している企業は25%だった。
リスキリングにより従業員に身に付けて欲しい知識・スキル(複数回答)は、「営業・販売」が41%で最も多く、次いで「IT・デジタル」(29%)、「生産管理」(25%)、「財務・会計・経理」(17%)が続いた。リスキリングに期待する効果(複数回答)としては、「業績の向上」(54%)や「生産性の向上」(53%)などが上位に挙げられたほか、約3割(27%)の企業でリスキリングを通じて「人手不足の解消」を期待している。
リスキリングを推進している19%の企業が実施しているリスキリング(複数回答)は、「社外研修の受講勧奨」が58%と最も多く、次いで「社内研修の開催」(44%)、「学習教材の購入・提供」(26%)などが続いた。現在、リスキリングを推進している企業の実施時期は、「3年以上」が57%、「1年以上2年未満」が17%。リスキリングに係る年間費用は、「5万円未満」が55%、「5万円以上10万円未満」が23%となった。
リスキリングを推進している19%の企業及び推進予定(検討中)の38%の企業が、推進する上での課題(複数回答)は、「取組み時間の確保」が63%と最も多く、次いで「従業員の理解不足解消」(32%)、「取組み費用の確保」(29%)となった。なお、リスキリングを推進していない43%の企業の理由(複数回答)は、「必要性を感じていない」が41%で最も多く、次いで「取組み時間が確保できない」が33%となった。
同調査結果は
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2023/pdf/231030_news.pdf