フリーランス・事業者間取引適正化等法に関する周知

 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局及び公正取引委員会は、先般の第211回通常国会において、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が可決・成立し、2023年5月12日に公布されたことに伴いその周知を図っている。同法については、2024年秋頃までの施行が予定されており、今後、政省令やガイドラインにおいて具体的な内容が公表される。

 同法は、個人として業務委託を受けるフリーランス(事業者)と企業などの発注事業者の間の取引の適正化、フリーランスの就業環境の整備を図ることを目的とし、取引の適正化を図るため、発注事業者に対し、フリーランスに業務委託した際の取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額や受領拒否などを禁止するとともに、発注事業者に対し、フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けている。

 特定受託事業者に係る取引の適正化は、(1)特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額等を書面又は電磁的方法により明示しなければならないものとし、従業員を使用していない事業者が特定受託事業者に対し業務委託を行うときについても同様とする。(2)特定受託事業者の給付を受領した日から60日以内の報酬支払期日を設定し、支払わなければならないものとする。

 特定受託業務従事者の就業環境の整備は、(1)広告等により募集情報を提供するときは、虚偽の表示等をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければならない。(2)特定受託事業者が育児介護等と両立して業務委託に係る業務を行えるよう、申出に応じて必要な配慮をしなければならない。(3)特定受託業務従事者に対するハラスメント行為に係る相談対応等必要な体制整備等の措置を講じなければならないものとする、などがある。

 そのほか、違反した場合等の対応として、公正取引委員会、中小企業庁長官又は厚生労働大臣は、特定業務委託事業者等に対し、違反行為について助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令をすることができるものとする。命令違反及び検査拒否等に対し、50万円以下の罰金に処する(法人両罰規定あり)こととされている。

 同法の説明資料は

https://www.jftc.go.jp/file/publicppt.pdf