国税庁では、政府全体のデジタル社会の実現に向けて、納税者利便性の向上と税務行政の効率化を図る観点から、e-Tax及びキャッシュレス納付の利用拡大を推進している。同庁が発表した2022年度におけるオンライン(e-Tax)手続きの利用状況等によると、所得税のオンライン利用率が全体の3分の2を占める水準になったほか、法人税申告のオンライン利用率は9割を達成するなど、オンライン利用率は着実に上昇している。
主要7手続きのオンライン利用率は、「法人税申告」が91.1%(前年対比+3.2ポイント)と9割を超えたほか、「消費税申告(法人)」90.3%(同+1.6ポイント)、「所得税申告」65.7%(同+6.5ポイント)、「消費税申告(個人)」69.9%(同+1.5ポイント)、「相続税申告」29.5%(同+6.1ポイント)、「国税納付手続き」35.9%(同+3.7ポイント)、「納税証明書の交付請求」19.4%(同+6.5ポイント)と全て順調に上昇している。
2022年度の納付手段別の納付件数をみると、まずキャッシュレス納付割合は35.9%となり、前年度より3.7ポイント増加した。内訳は、「振替納税」が12.5%(前年度比▲0.1ポイント、605万件)、インターネットバンキングやダイレクト納付の「電子納税」が21.4%(同+3.4ポイント、1039万件)、「クレジットカード」が1.7%(同+0.2ポイント、81万件)のほか、同年度から集計対象となった「スマホアプリ」が0.3%(15万件)だった。
キャッシュレス納付以外では、「窓口での納付」が59.0%(前年度比▲3.7ポイント、2864万件)と6割強を占め、内訳は、「金融機関窓口」が57.1%(同▲3.4ポイント、2768万件)で、「税務署窓口」はわずか2.0%(同▲0.1ポイント、95万件)。そのほか「コンビニエンスストア」が5.1%(同▲0.1ポイント、246万件)で、内訳は、「バーコード」が4.0%(同+0.4ポイント、195万件)、「QRコード」が1.1%(同▲0.4ポイント、51万件)だった。
この結果、キャッシュレス納付割合の合計は35.9%となり、前年度より3.7ポイント増加したわけだが、その分、キャッシュレス納付以外の割合の合計が64.1%(3110万件)で、同▲3.7ポイント減少し、4年前の2018年度(76.8%)からは▲12.7ポイントも減少している。まだまだ金融機関等での窓口納付が6割近くを占めるとはいえ、国税庁が推進するキャッシュレス納付の利用拡大は着実に進んでいると言えよう。
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