経済産業省がこのほど発表したパチンコ業界に関する分析レポートによると、最近のパチンコ業界は、新型コロナウイルス感染症の影響や法規制強化により、変革期にある。デジタル技術の導入と若年層の顧客獲得が焦点で、一方で依存問題への懸念も根強い。大手企業は多角化戦略を進め、中小企業は存続に苦しむ状況だ。業界全体が今後の法改正と社会的ニーズへの適応が課題となる。
特定サービス産業動態統計調査におけるパチンコホール業に関する調査によると、2023年7月のパチンコホールの売上高は、新型コロナの感染症法における位置付けが5類に移行し、人気機種が導入されたことから、前年同月比8.7%増と13ヵ月連続で増加。特に、2022年11月に導入されたメダル(出玉)情報を電子化し、メダルを使わずに遊戯が行えるスマートパチスロが好調で、20代から40代の若い客層が増加しているという声もある。
しかしながら、コロナ禍前の2019年の同月と比較すると18.7%減少しており、依然としてコロナ禍前の水準まで回復していないことが示されている。コロナ禍以前から、パチンコホールは射幸性の問題や遊技参加人口の減少などに直面し、倒産や廃業・身売りが続いてきた。新型コロナウイルス感染症拡大時には、営業自粛を余儀なくされ、赤字の事業所が急増した。
パチンコホールの状況は二極化しており、新機種やスマスロ、スマートパチンコ機を導入できる大手企業が生き残る一方で、中小企業は閉店に追い込まれている実態がある。警察庁の統計によれば、2022年12月末時点で全国のパチンコ店(営業許可数)は7665件で、ピーク時(1995年)の半分以下だ。また、2023年7月の調査によれば、1事務所(ホール)あたりの遊技機の設置台数は562.6台であり、2015年1月の調査では512.0台だった。
つまり、事業所数は減少しているが、1事業所あたりの遊技機の設置台数は増加傾向にあり、パチンコホールの大型化が進行していることが示唆されている。経産省では、引き続き、スマスロ等の新機種やパチンコホールの大型化の動向などを注視していく方針という。
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https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20231016hitokoto.html