取引相場の有無で評価が異なるゴルフ会員権の評価

 コロナ以降、3密回避可能なゴルフの人気が急上昇し、これに伴い会員権市場も需要が拡大、価格も上昇傾向にあるという。相続税や贈与税を計算するときのゴルフ会員権の評価方法は、取引相場がある会員権と取引相場がない会員権では評価が異なる。なお、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのものについては評価しない。

 まず、取引相場のある会員権については、課税時期における通常の取引価格の「70%」に相当する金額によって評価する。この場合において、取引価格に含まれない預託金等があるときは、その金額との合計額によって評価する。課税時期において直ちに返還を受けることができる預託金等は、ゴルフクラブの規約などに基づいて課税時期において返還を受けることができる金額との合計額となる。

 一方、課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金等があるときは、ゴルフクラブの規約などに基づいて返還を受けることができる金額の課税時期から返還を受けることができる日までの期間(その期間が1年未満であるときまたはその期間に1年未満の端数があるときは、これを1年とする)に応ずる基準年利率による複利現価の額との合計額となる。

 次に、取引相場のない会員権ついては、(1)株主でなければゴルフクラブの会員となれない会員権は、その会員権に係る株式について、財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式の価額に相当する金額によって評価する。また、(2)株主であり、かつ、預託金等を預託しなければ会員となれない会員権は、その会員権について、株式と預託金等に区分して、それぞれの金額の合計額によって評価する。 (2)における株式の価額は、上記「取引相場のない会員権」の(1)に掲げる方法を適用して計算した金額、及び預託金等は、上記「取引相場のある会員権」の(1)または(2)に掲げる方法を適用して計算した金額となる。さらに、(3)預託金等を預託しなければ会員となれない会員権は、上記「取引相場のある会員権」の(1)または(2)に掲げる方法を適用して計算した金額によって評価することとされている。