老若男女に人気の「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」の倒産が急増している。東京商工リサーチが発表した「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店の倒産動向調査」結果によると、2023年度上半期(4~9月)の「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」倒産は12件(前年同期比500.0%増)で、前年同期の6倍に急増した。店舗別では、「お好み焼き屋」が9件と全体の75.0%を占め、次いで、たこ焼き屋が2件、その他1件で、お好み焼き屋の急増が目立つ。
コロナ禍の2020年度上半期の「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」倒産は8件だったが、持続化給付金など飲食業へのコロナ関連支援の効果により2年連続で減少、2022年度同期は過去15年間で最少の2件に激減した。しかし、2023年度はコロナ関連支援の縮小・終了に加え、ロシアのウクライナ侵攻や円安などで食材価格が高騰したところに人件費上昇も重なり、倒産が大幅に増えた。
原因別は、最多が「販売不振」の7件(前年同期比600.0%増)で、構成比は約6割(58.3%)を占めた。以下、「他社倒産の余波」(前年同期1件)と「既往のシワ寄せ」(同1件)が各2件、「その他」が1件(前年同期ゼロ)だった。『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は9件(前年同期比350.0%増、同2件)で、構成比は75.0%と、「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」倒産の4社に3社を占めた。
資本金別では、12件すべてが「1千万円未満」。内訳は、「個人企業他」(前年同期1件) と「100万円以上500万円未満」(前年同期ゼロ)がそれぞれ5件(構成比41.6%)、「500万円以上1000万円未満」が2件(同1件)だった。「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」は少資本でも創業できる反面、倒産する企業は経営体力がぜい弱な個人企業を中心とする小・零細規模がほとんどで、コロナ禍での客足減少の影響が長期化している可能性がある。
地区別では、最多が「関東」の7件(構成比58.3%、前年同期ゼロ)だった。以下、「近畿」が4件(同33.3%、同2件)、「九州」が1件(同8.3%、同ゼロ)の順。「関東」は、年度上半期として初めて5件を上回り、2010年の4件を超えて過去最多を更新した。「お好み焼き・焼きそば・たこ焼店」の倒産は、粉もん文化が定着し、店舗も多い近畿が中心だったが、コロナ禍で様子が変わったのか関東が5年ぶりに近畿を上回った。
同調査結果は