国税庁はこのほど、インボイスQ&Aに新たに4問を追加したが、その一つに「ごみ袋等に係る適格請求書の交付方法」がある。スーパーやコンビニなどの小売業を営む事業者が商品として扱う自治体の指定ごみ袋や粗大ごみの処理券等については、条例等の内容に応じて、課税や非課税、不課税など課税関係が異なる。こうした課税関係のなか、顧客に対してどのように適格請求書を交付すればよいのか疑問が生ずる。
小売店等が商品として扱う各自治体の指定ごみ袋等の処理券等の販売については、各自治体が定める条例等の内容に応じて、各自治体から仕入れたごみ袋等自体の譲渡として課税取引となる場合のほか、物品切手の譲渡として非課税取引となる場合、受託販売(一時的な代金の預かり)として課税対象外(不課税取引)となる場合など様々なので、こうした態様や課税関係に応じて、適格請求書等を交付する等の対応を検討する必要がある。
この点、ごみ袋等の販売により収受する金銭は、各自治体におけるごみ処理という役務の提供(課税資産の譲渡等)の対価(ごみ処理手数料)を各自治体に代わって収受するという側面を有するものであるため、その販売が非課税取引や不課税取引となるものであっても、売り手に代わって購入者に適格請求書を交付できる「媒介者交付特例」を活用し、顧客に対して、小売店等の名称や登録番号を記載した適格請求書等の交付を行うことができる。
なお、媒介者交付特例に係る適格請求書等の写しの交付については、小売店等から各自治体に交付している納入通知書等に代えることも認められる。また、ごみ袋等の販売が非課税取引等となる場合に、媒介者交付特例を活用し適格請求書等を交付したとしても、小売店等で課税資産の譲渡等として取り扱う必要はないほか、媒介者交付特例を活用せず、ごみ袋等の本来的な課税関係に基づき、非課税取引等としての領収書等の交付も認められる。
そのほか、ごみ袋等について、小売店等では、税込価額で記載するごみ袋等と、税抜価額で記載するその他の商品を併せて一の適格簡易請求書に記載する場合に、「税込販売価額」を税抜化せず、「税込販売価額」を合計した金額及び「税率の異なるごとの税抜価額」を合計した金額を表示し、それぞれを基礎として消費税額等を算出し、算出したそれぞれの金額について端数処理をして記載することとしても差し支えないとされている。