東京商工リサーチが発表した「2023年全国社長の住む街調査」結果によると、全国で社長が住む街のトップは、前回(2021年調査)に続き東京都「港区赤坂」で、唯一、4000人台の4099人が住んでいる。「赤坂」は都市型の商業施設や繁華街がある一方、高級マンションが建ち並ぶ閑静な住宅地も多い。米国大使館など各国大使館も点在し、大使館員や外資系企業の社員も多い。
2位は、東京都「新宿区西新宿」の3395人。世界一の乗降客数を誇るJR新宿駅西側に位置し、都庁など高層ビル群が副都心を形成する。近年はタワーマンション建設が進み、アクセス至便で富裕層の人気を集めている。3位は、赤坂に隣接する東京都「港区六本木」の3241人。ひと昔前に流行した「ヒルズ族」で知られる六本木ヒルズが街のランドマークで、若者に人気の街だ。
次いで、4位の東京都「港区南青山」、5位の東京都「渋谷区代々木」まで上位5位の順位は前回と変わらなかった。6位には東京都「港区芝浦」が2871人で、前回8位から浮上。かつては工場や倉庫が並び、バブル期はディスコが若者を集めたウォーターフロントだったが、再開発で大きく変貌を遂げ、東京湾の夜景を望むタワーマンションやオフィスビルの供給が進んだ。
東京都以外では、神奈川県の「三浦郡葉山町」が1496人で、58位に。三浦半島の別荘地で、マリンスポーツやゴルフなどを楽しめ、観光客に人気の鎌倉にも近い。次いで、大阪府「大阪市西区南堀江」が1418人で65位に。古い街並みと2000年代以降に増加したタワーマンションが混在し、オフィス街にも隣接している。87位には、同じく大阪府「大阪市福島区福島」が前回100位から浮上した。
市区郡別では、トップ10を東京23区が独占。最多は、東京都「世田谷区」の5万4262人。前回調査以来、唯一、5万人を超えている。23区では人口、世帯数ともに最多で、91万人超が暮らしている。閑静な住宅地として知られ、高級住宅街の「成城」、「奥沢」、「深沢」の3エリアが町村別の22位から24位に並ぶ。2位は東京都「港区」の3万9516人。人口に占める社長比率は15.1%と断トツで、“社長だらけ”の街といえる。
3位は東京都「渋谷区」が2万9090人で、前回5位から浮上。若者の流行の発信地として全国的に知名度が高く、落ち着いた住宅地も併せ持つ。町村別で5位に入った「代々木」のほか、「広尾」、「恵比寿」、「神宮前」が14位から16位に並ぶ。社長比率は12.6%で、港区に次いで2番目に高い。社長比率の3位は、東京都「千代田区」(58位、8307人)の12.2%。社長数は1万人を切るが、人口も6万7911人とコンパクトなため、社長比率が高い。