帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は742件で、前年同月から1.5倍の大幅増を記録し、2000年以降で3番目の増加率となった。16ヵ月連続で前年同月を上回り、リーマン・ショック前後の2008年6月~09年8月の連続増加期間を超えた。また、前月に比べると5.8%増となり、2ヵ月ぶりに増加し、3ヵ月連続の700件超えを記録した。
一方、負債総額は995億100万円(前月1804億7000万円、前年同月1059億600万円)となり、前月比では▲44.9%減、前年同月比でも▲6.0%減のともに減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。また、2023年1月以来7ヵ月ぶりに1000億円を下回った。8月の負債額トップは、加工木材卸などの征矢野建材(株)(民事再生法、長野県)の65億2000万円だった。
業種別にみると、7業種中6業種で前年同月を上回った。「サービス業」(前年同月133件→187件、40.6%増)が最も多く、「建設業」(同98件→148件、51.0%増)、「小売業」(同76件→148件、94.7%増)が続いた。「サービス業」は2ヵ月連続で前年同月から40%を超える大幅増となった。「製造業」(同46件→93件、102.2%増)は前年同月から倍増した。前年同月に比べて40件以上も増加したのは、2009年11月以来13年9ヵ月ぶり。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が433件(前年同月266件、62.8%増)で最も多く、全体の58.4%を占め、4ヵ月連続で前年同月を100件以上上回った。「1億円未満」が113件(同53件、113.2%増)となり、2015年11月以来7年9ヵ月ぶりに6ヵ月連続で100件を超え、小規模な倒産の増加が目立った。資本金規模別では、「1000万円未満(個人事業主含む)」の倒産が491件(同311件、57.9%増)発生し、構成比は66.2%を占めた。
地域別にみると、2ヵ月連続で全地域で前年同月を上回った。「関東」(前年同月186件→294件、58.1%増)は、「東京」(同84件→150件)が3年1ヵ月ぶりに150件を超えたこともあり、全体でも大幅増となった。最も増加率の高かった「四国」(同5件→12件、140.0%増)は、2023年1~8月累計で103件となり、すでに2022年通年(100件)を超えた。「中国」(同17件→35件、105.9%増)は、「不動産業」を除く全業種で前年同月を上回った。
同倒産状況の概要は