9月1日は防災の日だが、経済産業省は消費者庁とともに、台風等による停電の際に使用される携帯発電機において、不十分な換気により一酸化炭素中毒となる事故が毎年発生しており、さらに、停電復旧後の通電に伴う火災にも注意が必要なことから、改めて事故を防ぐための対策を要請している。自然災害が発生したとき、災害そのものによる被害だけでなく、災害をきっかけに製品事故が発生することがある。
災害による停電が長期化する場合の非常電源として携帯発電機を持つ家庭が増えている。しかし、携帯発電機の排ガスには毒性の強い一酸化炭素(CO)が含まれており、屋内や風通しの悪い場所での使用による死亡事故も報告されている。さらに、停電復旧後の通電により、電熱器具が周囲の可燃物に接触していたことによる発火や、家電製品の水没や部品の破損によりショートして発火するなどの製品事故も発生している。
そこで、携帯発電機の使用時の注意点は、屋内では絶対に使用しないことを挙げている。発電機運転中の排ガスには一酸化炭素が含まれており、屋内で使用すると一酸化炭素中毒になるおそれがある。屋外であっても、自動車内やテント内で使用すると屋内と同等以上の危険性がある。排ガスが逆流しないように出入口、窓など開口部から離れたところ、かつ、風通しの良いところで使用するよう呼びかけている。
携帯発電機の事故事例では、2018年9月8日に北海道胆振東部地震発生後、一酸化炭素中毒により50歳代男性が死亡した事故があり、現場に家庭用の携帯発電機があった。事故の原因は、取扱説明書には、「排ガス中毒のおそれがあるため、排ガスがこもる場所で使用しない」旨、記載されていたにもかかわらず、停電時に携帯発電機を換気の不十分な屋内で使用したため、排ガスが滞留し、一酸化炭素濃度が上昇して事故に至ったとみられる。
また、通電火災の注意点は、自宅から避難する際に時間的な猶予がある場合は、停電復旧時に異常のある製品に通電されることによる事故を防止するため、分電盤のブレーカーを切ること。普段から分電盤の位置や操作方法を確認しておく。特にヒーターを内蔵した電気こんろや電気ストーブなどの電熱器具は、停電復旧時における意図しない作動による火災を防ぐため、停電時には電源プラグをコンセントから抜くよう注意を喚起している。
さらに、停電復旧後、浸水や落雷などによる損傷を免れた製品を使う際は、機器などの外観に異常がないか(電源プラグやコードに損傷はないか、製品に焦げた痕はないか、など)を確認の上、分電盤のブレーカーを入れ、機器の電源プラグを1台ずつコンセントに差し、様子を確認しながら使用するよう注意している。異音や異臭がする場合は、必ず使用を中止し、メーカーや販売店に相談するよう呼びかけている。
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