依然6割が日常の業務フローの中でファクスを利用

 情報通信ネットワーク産業協会が全国の20歳の男女有職者約4000人に対し実施した「ファクシミリの利用調査」結果によると、43.7%が業務の中で通信手段としてファックスを利用している。昨年度に比べ、「日常的に使用」+「たまに使用」が2.2%低下したが、業務の中で、「送受信業務がない」人を除いた場合、6割がファクスを利用している結果となり、まだファクスは、業務の中の通信手段の1つとして利用されていることがうかがえる。

 使用しているファクスの種類(複数回答)は、職場では「カラー複合機」(68.5%)、「モノクロ複合機」(20.0%)が大きな割合を占めている。同項目は、2020年度からアンケート取得しているが、「コンビニのファクス利用」では、2020年度1.9%→2021年度2.3%→ 2022年度(今回)3.8%、「スマホ等からのファクスサービス」同2.9%、2.6%、 7.2%のように、ファクス機を持っていない人でもファクスを利用するケースが増えている。

 ファクスの便利な点(複数回答)は、「簡単に送受信できる」が59.2%で最多。次いで、「受信した原稿がすぐ出力される」(40.5%)、「手書き原稿を送ることができる」(40.4%)が続いた。普段、利用されている人にとって、ファクスは簡単な操作でかつ確実な送受信が可能である情報伝達手段であり、その利点が反映されている結果のようだ。個々人にパソコンがない職場や、業務フローの中で紙を使用している職場では、迅速な利用が可能となる。

 テレワーク下でのファクス送信方法(複数回答)は、「職場のファクス機の転送機能を利用」(11.9%)、「職場のファクス機の中継機能を利用」(11.4%)に該当するファクス機の機能利用者が、計23.3%となった。一方、「出社して職場から送る」(12.4%)、「出社している人に送ってもらう」(7.7%)が、計20.1%となり、ファクス機の機能を利用しない人が、ほぼ同数の結果となっている。

 また、テレワーク下でのファクス受信方法(複数回答)では、「転送機能を利用」、「保存機能を使って」、「転送機能を使って」に該当するファクス機の機能の利用者が、28.7%。一方、「出社して…」、「出社している人に…」が、25.4%となり、ファクス機の機能を利用しない人が、4分の1程度となった。このように、『テレワーク下でもファクス送受信確認を行う方法』について、情報周知につなげる必要性があることがうかがえる結果となった。

 同調査結果は

https://www.ciaj.or.jp/ciaj-wp/wp-content/uploads/2023/08/FAX_HP_2023_inf.pdf