約7割の企業で人事・評価・処遇制度の見直しを実施

 日本能率協会が発表した「当面する企業経営課題に関する調査~組織・人事編」結果(有効回答数596社)によると、人事・評価・処遇制度の見直しの実施状況は、「抜本的な見直しを実施済・実施中」が37.9%、「1~2年以内に実施予定」が32.4%と、合計で約7割の企業が、抜本的な見直しを実施、もしくは実施を予定していた。従業員規模別にみると、大企業・中堅企業は「見直し実施・実施予定」の割合が全体より高く、75%にのぼった。

 また、人事・評価・処遇制度の見直しを実施もしくは実施の可能性がある企業の「ジョブ型」の人事・評価・処遇制度の導入・検討状況は、全社・一部を問わず何らかの形で導入している企業は2割超。従業員規模別にみると、大企業では導入済の割合が高く、回答企業のうち、約3割で導入がなされていた。中堅企業では「導入の予定はない」、中小企業は「検討していない」の割合が全体より高く、規模別で導入・検討状況に違いがみられた。

 「ジョブ型」人事制度を導入している企業(126社)の導入目的(複数回答)は、「役割・職務・成果を明確にし、それらに応じた処遇を実現するため」が74.6%と最も高く、次いで「専門性の高い人材を育成・活用するため」(40.5%)、「社員のキャリア自立意識を高めるため」(37.3%)の順。従業員規模別にみると、大企業は「事業構造やビジネスモデルの変化に対応するため」、「外部労働市場を見据えた処遇実現のため」が全体よりも高い。

 一方、「ジョブ型」の人事・評価・処遇制度を検討中・導入の予定のない企業(379社)のその理由(複数回答)は、最も高かったのは「十分な検討が行われていないため」(56.2%)だった。「ジョブ型」導入には、対象職種・職層の検討や設定、職務記述書の作成、旧来の雇用システムからどのような切替えを行うかなど、考慮・対応すべき要素が多くあるため、検討途上である企業が多いことが想像される。

 そのほかには、「ジョブ型よりもやや柔軟に運用できる役割等級制度のような制度が妥当と考えたため」(44.9%)、「異動などの人材配置において柔軟に運用することが難しいため」(43.8%)、「社員に対して職務を限定せず多様な経験を積ませることを重視しているため」(39.1%)、「賃金の決定において妥当な水準を決めることが難しいため」(30.3%)などが理由として挙げられている。

 同調査結果は

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