日本政策金融公庫が、従業員20人以下の小規模企業を中心に6月中旬に実施した「信用保証利用企業動向調査」結果(有効回答数4398社)によると、資金繰りDI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、2023年4~6月期実績ではマイナス幅が前期から2.0ポイント縮小の▲11.4と、中小企業の資金繰りはやや改善した。来期2023年7~9月期はマイナス幅が同3.8ポイント縮小の▲7.6とさらに改善する見通し。
また、今期(4~6月期)に借入を実施した企業の割合は、前期比2.7ポイント増の17.6%と増加。従業員規模別にみると、「0~20人」が同3.3ポイント増の16.5%、「21人以上」は同2.0ポイント増の24.1%。一社当たりの借入金額構成比は、「1千万円以下」が同2.6ポイント増の41.0%、「1千万円超5千万円以下」が同1.6ポイント減の40.2%、「5千万円超」が同1.5ポイント減の18.4%で、平均借入金額は4271万円だった。
今期に借入を実施した企業のうち、保証を利用した企業割合は、前期比1.5ポイント減の58.4%とやや減少。保証利用割合別では、「全額利用」の割合は同3.7ポイント減の46.5%、「一部利用」は同2.2ポイント増の11.9%となった。来期(7~9月期)における保証利用要請DI(前期比、「強くなると思う」−「弱くなると思う」、季節調整値)はマイナス幅が同0.4ポイント拡大の▲1.3と横ばいとなった。
一方、生産・売上DI(前期比、「増加」−「減少」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が前期比3.6ポイント縮小の▲1.4となった。来期はマイナス幅が8.0ポイント縮小の6.6が見込まれる。また、採算DI(前期比、「好転」−「悪化」、季節調整値)は、今期はマイナス幅が同4.9ポイント縮小の▲12.0となり、来期はマイナス幅が同10.8ポイント減と大幅縮小の▲1.2の見通しとなっている。
なお、メインバンクとの経営支援に関する相談状況については、「相談している」が30.2%、「相談していない」が69.8%。「相談している」と回答した企業における相談結果に対する満足度は、「満足している」及び「やや満足している」を合わせた割合が65.0%となっている。「相談していない」と回答した企業における相談していない背景・理由(3つまで回答)では、「メインバンクには金融支援を中心に相談しているため」が37.1%と最も多い。
同調査結果は