厚生労働省は、雇用保険の「基本手当日額」を8月1日から、最高額を各年齢階層で110円から135円に、最低額は71円引き上げるなどを公表した。雇用保険の基本手当は、労働者が離職した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動できるよう支給するもの。最高額の変更は、2021年度の平均給与額が21年度と比べて約1.6%上昇したこと、最低額の変更は、最低賃金日額が適用されたことに伴うもの。
具体的な変更内容については、基本手当日額の年齢ごとの最高額が、(1)60歳以上65歳未満が7177円→ 7294 円(+117円)、(2)45歳以上60歳未満が8355円→8490 円(+135円)、(3)30歳以上45歳未満が7595円→7715円(+120円)、(4)30歳未満が6835円→6945円(+110円)にそれぞれ変更となる。また、基本手当日額の最低額の引上げは、2125円→2196円(+71円)となる。
基本手当日額の算定基礎となる賃金日額の最高額、最低額等について、毎年度の平均給与額の変動に応じて変更しているが、これにより変更した最低額が、最低賃金日額(地域別最低賃金の全国加重平均額に20を乗じて7で除して得た額)を下回る場合は、最低賃金日額を最低額とすることとされている(雇用保険法第18条第3項及び同法施行規則第28条の5)。
賃金日額と基本手当の日額の関係をみると、①基本手当(求職者給付)の1日当たりの支給額を基本手当の日額という。②基本手当の日額については、離職前6ヵ月間の平均賃金額を基に計算され、この離職前6ヵ月間における1日当たりの平均賃金額を賃金日額という。③基本手当の日額は、賃金日額×給付率(80~50%)となり、賃金水準が低いほど高い給付率となる。
なお、2023年8月1日以降の基本手当日額の最低額については、最低賃金日額に、基本手当の給付率80%を乗じて計算している。計算式は、「961円(2023年4月1日時点での地域別最低賃金の全国加重平均額)×20÷7×0.8」=2196円となる。
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