公益法人協、2024年度税制改正に向け14項目を要望

 公益法人協会は、「2024年度税制改正に関する要望」を取りまとめ、7月18日、内閣府に提出した。要望項目は、公益法人の活動基盤を強化し、公益活動を促進する観点から、大規模災害等、天災発生時における指定寄附金の制度化など5項目、また、寄附文化を醸成し、寄附を通じて社会参加を促進する観点から、寄附金控除における税額控除率の引上げなど7項目のほか、消費税インボイス制度における経過措置の延長など2項目がある。

 寄附金控除における税額控除率の引上げは、寄附金控除の方式は所得控除方式と税額控除方式の2つの方式を採用しているが、2015年分以降、所得税率が改訂され、上限が40%から45%に引き上げられていることから、これに合わせ税額控除方式の計算式についても「40%」を「45%」に改めることを求めるもの。また、個人の寄附金控除の適用下限額(現在は 2000 円)を撤廃することを要望している。

 個人寄附促進のために、このいわゆる「足切り額」を撤廃し、金額的にはわずかでも、多くの一般市民が気軽に寄附ができ、税制上のインセンティブが与えられるような仕組みの構築は、寄附促進に関して有効との考えを示した。さらに、より多くの個人の公益活動や市民活動への参画を促進する観点から、一定金額程度(例えば10万円)までの寄附上限額を設定し、選択的に年末調整により寄附金控除できる措置を講じることを要望した。

 公益法人等への資産寄附に係るみなし譲渡所得の特別控除の特例の創設も要望項目の一つだ。公益社団・財団法人及び認定特定非営利活動法人に資産に係る贈与、遺贈を行った場合は、みなし譲渡所得から3000万円を上限に特別控除できる特例を設けることが、寄附文化醸成には資産寄附においても一部の富裕層だけでなく、より多くの市民が寄附しやすいインセンティブとなるとの考えだ。

 そのほか、公益活動を担う法人の中には小規模な団体も多く、取引先が免税事業者となる法人にとっては、インボイス制度の導入により税負担が増加するケースも想定されることから、経過措置の延長を行うことを要望。取引先が免税事業者となる法人にとっては、税負担が増加するケースも想定されることから、制度導入後3年間、免税事業者等からの課税仕入れの80%は仕入税額控除できる経過措置を当分の間維持することを望むものだ。

 同協会の「2024年度 税制改正に関する要望」は

https://kohokyo.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/07/R%EF%BC%96zeikaiyobo.pdf