不動産情報サービスのアットホームが、2021年8月以降に物件を購入または賃貸物件を新規で契約・更新・解約した、全国の18~59歳の男女を対象に実施した「書類のオンライン化・電子サインに関する実態調査」結果(有効回答数814人)によると、購入者の85.8%が書類のやり取りを「対面(手渡し)」で実施していた。今後ついても76.0%が「対面(手渡し)」を希望、大きな買い物である購入時は「対面(手渡し)」が求められるようだ。
一方で、「メール」、「LINE」、「不動産会社のホームページ」を合わせたオンラインでのやり取りについては、経験と希望に4.5ポイントの開きがあった。また、賃貸契約・解約時における書類のやり取りについては、実態・今後の希望ともに「対面(手渡し)」がトップとなった。オンラインでのやり取りについては、どの段階においてもニーズが高い傾向にあり、特に賃貸更新・賃貸解約では10ポイント以上の差で顕著に表れた。
契約書類への署名・捺印の方法について、購入者の95.6%が「手書きで署名・捺印」をしていた。また、今後についても9割以上が「手書きで署名・捺印」を希望していることが分かった。「購入したことを実感できた」、「大事な書類なのですぐに確認してもらえてよかった」といったコメントが見られ、購入時は「手書きでの署名・捺印」が支持されるようだ。一方で、電子サインの経験者からは「便利・手軽だった」というコメントが見られた。
現状は「手書きでの署名・捺印」が賃貸契約・更新・解約において、それぞれ90.4%、86.5%、85.9%と8割以上となった一方で、「電子サイン」について、例えば賃貸契約では経験9.6%、希望21.3%など、経験と希望に10ポイント以上の開きがあり、一定数のニーズがあることが分かった。「電子サイン」は「手軽」、「スピード感がある」のほかに「ペーパーレスになる」という意見があった。
なお、消費者のニーズについて、不動産会社とのやり取りで「大変だったこと」、「面倒だったと感じたこと」は、「手続きのためだけに不動産会社に足を運ぶこと」が全ての段階でトップとなった。特に購入・賃貸契約では各38.6%、38.2%と約4割となった。また、賃貸更新・賃貸解約の約3割が「書類等の確認」、「署名・捺印」、「書類の返送」のオンライン化を希望しており、購入・賃貸契約を大きく上回った。
同調査結果は
https://athome-inc.jp/news/data/questionnaire/online-denshisign-202307/