2022年度の中途採用実績は前年度から大幅に増加

 リクルートワークス研究所が、従業員規模5人以上の全国の民間企業を対象に1月から3月にかけて実施した「中途採用実態調査」結果(有効回答数4140社)によると、2022年度の中途採用実績は、2021年度1.31人から2022年度1.52人へと、前年度から15.3%増加している。コロナ禍の影響が落ち着き、景況感の見通しが回復したことによって、中途採用は活況になっている。

 従業員規模別でみると、全ての規模で中途採用実績は増加。最も増加したのは「300~999人」で+30.6%、次いで「1000~4999人」で+26.1%と大きく増加した。また、2020年度から2021年度にかけての増加率が+2.0%と微増にとどまっていた「5~299人」企業でも+11.8%と大きく増加しており、中途採用加速の動きは大手だけでなく中小企業にも波及していることがうかがえる。

 業種別では傾向がわかれ、採用実績が減少した業種は「小売業」(-14.0%)、「医療・福祉」(-8.1%)。それ以外の業種では増加となり、特に大きく増加した業種は「卸売業」(48.2%)、「製造業(機械以外)」(36.2%)、「情報通信業」(33.5%)だった。比較可能な2015年度から対前年度増減率の推移をみると、前年度に引き続き採用実績はプラスとなり、過去最高値だった。

 2022年度の中途採用実績は、経験者の採用人数が1社あたり0.99人と前年度より0.19人増加、未経験者も0.61人と前年度より0.07人増加。また、未経験者比率は2.1%ポイント減少。コロナ禍後の景況感の回復を経て、経験者の採用が増加傾向にある。従業員規模別にみると、従業員規模「5~299人」の企業で未経験者比率が42.5%と最も高い。採用力が従業員規模の大きい企業と比べて低く、未経験者で人材を補っている可能性がある。

 2022年度下半期の中途採用において、必要な人数を「確保できた」と回答した企業は45.8%、「確保できなかった」と回答した企業は52.7%であり、「確保できなかった」と回答した企業の割合は前年度から+7.3%ポイントと増加した。「確保できた」企業の割合と「確保できなかった」企業の割合の差(「中途採用確保DI」)は、全体で-6.9%ポイントとなり、「確保できた」企業の割合を「確保できなかった」企業の割合が上回った。

 同調査結果は

https://www.works-i.com/research/works-report/item/230705_midcareer.pdf