DX対応済の企業16.4%、売上規模小さいほど進まず

 帝国データバンクがこのほど発表した「企業のDXへの取組みに関する動向調査」結果(有効回答数2万548社)によると、DXへの取組み状況については、「すでに対応している」企業は全体で16.4%となった。そのうち、専門部署を置いている企業は3.5%にとどまっている。「すでに対応している」企業の割合を売上規模別にみると、売上高が「100億円以上」では 50.0%と半数にのぼった。

 そのうち専門部署を置く企業は19.8%で、他の売上規模と比較して10ポイント以上高い。以下、「50億~100億円未満」(33.6%)、「30億~50億円未満」(27.3%)、「10億~30億円未満」(19.7%)、「10億円未満」(9.1%)と続き、売上規模が小さくなるほど DXへの取組みが進んでいない状況がうかがえる。DXへ「すでに対応している」企業の割合を従業員数別にみると、「1001人以上」の大企業では65.4%と企業の約3分の2にのぼった。

 そのうち、専門部署がある企業は38.4%、専門部署がない企業は27.0%となり、前者が後者を10ポイント以上上回った。また、「301人~1000人」では49.5%がすでに対応しているものの、専門部署を設置している企業は18.7%にとどまり、専門部署を置く割合は「1001人以上」と比べると半減。以下、「101人~300人」(35.4%)、「6人~20人」(9.9%)、「5人以下」(5.5%)など、従業員数が多いほど対応が進んでいる傾向がみられた。

 DXへ「すでに対応している」企業を主な業種別にみると、「銀行」が82.1%と突出して高かった。うち、専門部署があるのは66.3%、専門部署がないのは15.8%となり、3社に2社で専門部署を設置。次いで、総合商社や貿易商社などを含む「各種商品卸売業(従業者が常時100人以上のもの)」が61.3%。以下、「民間放送業」(57.1%)、「国内・国際電気通信業」(53.0%)、「高等教育機関」(49.5%)、「ソフトウェア業」(48.4%)が続いた。

 DXへ「すでに対応している」企業について、5つの経営指標をもとにみると、従業員数が「5人以下」では、DXに取り組んでいる企業において“成長性”指標が突出して高く表れていた。“成長性”指標は、従業員数が多くなるにつれて、次第に各従業員規模の全体平均へ近づいていく傾向ある。DXへの取組みは、中小企業において“生産性”がより重要な要因となることが示唆される。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230609.pdf