帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は694件で、前年同月比では34.2%増加し、13ヵ月連続で前年同月を上回った。4ヵ月連続で前年同月から100件以上増加したほか、5月単月で600件を超えたのはコロナ禍前の2019年以来4年ぶりで、3ヵ月連続で600件を超えた。業種別では、「サービス業」が15ヵ月連続で前年同月を上回った。
一方、負債総額は2797億4000万円(前月2088億700万円、前年同月785億4000万円)となり、前月比では34.0%増、前年同月比でも256.2%増の大幅増加となり、4ヵ月連続で前年同月を上回った。2ヵ月連続で負債が2000億円を超えたのは、2012年11月以来、10年6ヵ月ぶり。5月の負債額トップは、スマートフォン開発のFCNT(株)(民事再生法、神奈川県)の870億円だった。
業種別にみると、「運輸・通信業」を除く6業種で前年同月を上回った。「サービス業」(前年同月124件→159件、28.2%増)が最も多く、15ヵ月連続で前年同月を上回った。次に多かった「小売業」(同87件→150件、72.4%増)は前年同月から63件の大幅増だった。「建設業」(同105件→136件、29.5%増)、「製造業」(同60件→72件、20.0%増)、「卸売業」(同74件→91件、23.0%増)は前年同月から10件以上増加した。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が405件(前年同月292件、38.7%増)で最も多く、全体の58.4%を占めた。次いで、「5億円未満」が147件(同110件、33.6%増)、「1億円未満」が100件(同82件、22.0%増)で続き、小規模な倒産の増加が目立った。資本金規模別では、「1000万円未満(個人事業主含む)」の倒産が467件(同353件、32.3%増)発生し、構成比は67.3%を占めた。
地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を上回った。最も増加率の大きい「東北」(前年同月24件→38件、58.3%増)は、「建設業」や「小売業」で増加が目立った。「九州」(同37件→57件、54.1%増)は、8ヵ月連続で前年同月を上回った。「関東」(同190件→267件、40.5%増)は、「東京」(同94件→126件)や「神奈川」(同23件→56件)の大幅増もあり、全体でも3ヵ月連続で前年同月から40%を超える大幅増となった。
同倒産状況の概要は