帝国データバンクが発表した「2023年度の設備投資に関する企業の意識調査」結果(有効回答数1万1108社)によると、同年度(2023年4月~2024年3月)に設備投資を実施する予定(計画)の有無は、設備投資計画が「ある」(「すでに実施」、「予定」、「実施を検討中」の合計)との企業は60.5%となった。前回2022年4月調査から1.6ポイント増と微増にとどまったものの、コロナ前の2019年(62.3%)の水準に近づきつつある。
他方、設備投資を「予定していない」企業は31.1%で、前回調査から1.9ポイント減少した。2023年度に設備投資の予定(計画)が「ある」企業が予定している設備投資額における全体の平均は1億2470万円となった。また、2023年度に設備投資の予定が「ある」企業が予定している設備投資の内容(複数回答)は、入替えや交換、更新など「設備の代替」が57.0%と、調査開始後初めて50%を上回り、トップとなった。
次いで、「既存設備の維持・補修」(28.5%)や「省力化・合理化」(25.9%)、「情報化(IT化)関連」(24.6%)、「DX」(23.2%)が続いた。「情報化(IT化)関連」、「DX」のいずれかを選択した、デジタル投資を検討している企業は38.3%と、前回調査から4.0ポイント増加し、業務の効率化、新しいシステムづくりへの投資が増えそうだ。また、電気料金などの上昇に対応する目的で「省エネルギー対策」も上向いた。
設備投資の予定が「ある」企業の主な資金調達方法は、「自己資金」が55.8%で最も高かった。「金融機関からの長期の借り入れ」(22.8%)や「金融機関からの短期の借り入れ」(6.1%)といった金融機関からの調達は28.9%と3割近くとなり、自己資金や金融機関からの借入れが資金調達の大部分を占めた。従業員数別にみると、「自己資金」では、20人以下の小規模な企業と301~1000人の中堅企業で全体の割合を上回った。
2023年度に設備投資の予定が「ある」企業が最も期待する設備投資の効果は、「売上の拡大」(23.2%)が最も高く、「利益の拡大」(19.8%)と合わせて4割以上を占めた。次いで、省エネ、業務効率化などによる「コスト削減」(19.3%)、「省人化の達成」(12.4%)が続いた。規模別にみると、「大企業」では売上・利益の拡大効果を期待する一方で、「中小企業」では生産の能率化・コスト削減を優先する傾向がみられた。
同調査結果は