23年大手企業の賃上げ率は30年ぶり高水準~経団連

 日本経団連が発表した2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果の第1回集計によると、大手企業の賃上げ率は3.91%と、1993年以来30年ぶりの3%台後半の高水準となったことが分かった。同調査は、原則、東証一部上場企業、従業員500人以上の主要21業種大手241社を対象に実施。第1回集計は、21業種128社(53.1%)で妥結しているが、このうち平均金額不明などの36社を除いた92社の回答を比較したもの。

 調査結果によると、平均賃上げ幅は1万3110円で、賃上げ幅が1万円を上回ったのも1993年以来となる。定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ率は3.91%となった。回答企業の2022年の実績と比べると、金額で5316円、率で1.56ポイントともに大幅に増加している。2023年の賃上げ率は30年ぶりの高水準となったが、この背景には、物価高で消費者物価が高まるなか、労働者への賃上げが産業界に強く求められていることがある。

 製造業・非製造業別にみると、製造業(85社)平均は、妥結金額が1万2714円、賃上げ率が3.88%で、2022年実績と比べ、金額で4965円、賃上げ率で1.49ポイントともに増加。また、非製造業(7社)平均は、妥結金額が1万4634円、賃上げ率が4.02%で、2022年実績と比べ、金額で6668円、賃上げ率で1.80ポイントともに増加した。製造業、非製造業ともに前年実績を大きく上回っている。

 業種別にみると、妥結金額は、「建設」(3社)が2万4821円と唯一2万円台に乗せて最も高く、次いで「造船」(3社)の1万8191円、「機械金属」(3社)の1万5911円、「繊維」(12社)の1万4911円、「食品」(6社)の1万4574円などが続く。また、賃上げ率では、「造船」の6.06%が最も高く、次いで「機械金属」5.01%、「建設」4.64%、「繊維」4.58%、「非鉄・金属」4.06%(妥結額1万2836円)などが続いている。

 2023年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果は

https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/036.pdf