法改正に伴い、(1)週の所定労働時間20時間以上、(2)月額賃金8.8万円以上、(3)雇用見込み期間2ヵ月超のすべての要件を満たす、パート・アルバイトなどの短時間労働者(学生除く)に対する社会保険(厚生年金・健康保険)の適用範囲が拡大され、常用雇用者の人数規模が501人以上の企業に対しては2016年10月~、101人以上の企業は2022年10月~適用され、51人以上の企業にも2024年10月~適用される見通しとなっている。
労働政策研究・研修機構が発表した「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」結果(有効回答数8697社)によると、2022 年11月1日現在で短時間労働者 を「雇用している」割合は66.6%となった。短時間労働者を雇用している理由(複数回答)は、「1日の忙しい時間帯に対応するため」(38.3%)が最も多く、これに「女性や高齢者を活用するため」(32.7%)、「正社員の採用、確保が困難だから」(27.2%)などが続いた。
短時間労働者の厚生年金・健康保険の適用範囲が2022年10月より拡大されたが、要件を満たす対象者が「いる」企業(n=630 社)が、新たに厚生年金・健康保険が適用されるのに伴う対象者との調整方針は、「できるだけ、適用する」が 55.1%、「どちらかといえば、適用する」が 7.6%で、合わせて「適用する」が計62.7%。また、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が 34.3%となった。
厚生年金・健康保険の適用を新たに推進した場合(n=611社)の理由(複数回答)としては、「法律改正で決まったことだから(ありのまま、法令を遵守するため)」(66.0%)が最も多く、次いで「短時間労働者自身が、希望したから」(45.8%)が多く、これに「短時間労働者の必要人数を確保したいから(人手不足だから、求人の優位性を高めたいから)」(25.5%)などが挙げられた。
2024年10月より適用拡大される見通しとなっている常用労働者51~100人の企業で、要件を満たす短時間労働者(対象者)が「いる」場合(n=540 社)に、厚生年金・健康保険の新たな適用に伴う対象者との調整方針は、「できるだけ、適用する」が 28.1%、「どちらかといえば、適用する」が 12.0%で合わせて40.2%なのに対し、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」が 22.4%などとなった。
同調査結果は