大学発ベンチャー数、過去最高の伸びを記録~経産省

 経済産業省がこのほど公表した「2022年度大学発ベンチャー実態等調査」結果速報によると、2022年10月時点で存在を確認された大学発ベンチャー数は3782社と、2021年度に確認された3305社から477社増加し、企業数及び増加数ともに過去最多を記録したことが分かった。同調査は、2022年10月末日現在で設立されている大学発ベンチャーをカウント対象にしたもの。

 調査では、下記の5つのうち1つ以上に当てはまるベンチャー企業を「大学発ベンチャー」と定義。それは、(1)研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー。(2)共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)。

 さらに、(3)技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー(設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む)。(4)学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象。(5)関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー。

 大学別に大学発ベンチャー数をみると、引き続き「東京大学」が371社(2021年度比42社増)で最も多いものの、「京都大学」267社(同25社増)、「慶應義塾大学」236社(同61社増)、「筑波大学」217社(同39社増)、「大阪大学」191社(同11社増)、「東北大学」179社(同22社増)、「東京理科大学」151社(同25社)など、他大学も目立ち、多くの大学がベンチャー創出に力を入れていることがうかがえる。

 大学発ベンチャーにおける経営人材(CEO)が経営人材(CEO)となる前の最終経歴は、「大学・公的研究機関の教職員・研究者」が152社(構成比32.9%)と最も多く、アカデミア出身者が経営人材(CEO)となるケースが多いことがうかがえる。なお、大学発ベンチャーの従業員総数に占める博士号取得者の在籍割合は、大学発ベンチャーの定義別にみると、特に研究成果ベンチャーや共同研究ベンチャーにおいて高くなっている。

 また、大学発ベンチャー全体においても一般企業研究職に比べて在籍割合が高いことから、大学発ベンチャーでは博士号取得者が積極的に活用されていることがうかがえる。

 同調査結果は

https://www.meti.go.jp/press/2023/05/20230516003/20230516003.html