23年度に「ベア」を行う企業は6割超と大幅に増加

 財務省が発表した「地域企業における賃上げ等の動向調査」結果(有効回答数1161社)によると、2023年度に「ベア(ベースアップ)」を行う企業は6割超(62.1%)となり、昨年度(38.7%)から大幅に増加している。特に、非製造業での増加が昨年度の28.8%から56%へと顕著となっている。ベアを実施する企業が増加する一方、賞与・一時金・手当等増額を行った企業は減少しており、企業行動の変化が見て取れる。

 2023年度においてベアを実施した企業における「ベアのみ」の引上げ率をみると、「3%以上」と回答した企業は4割弱(37.3%)と昨年度(13.7%)よりも大幅増加。ベアまたは定期昇給を実施した企業における「ベア+定期昇給分の年収ベース」の引上げ率は「5%以上」と回答した企業は2割弱(16.9%)、「3%以上」と回答した企業は5割超(51.2%)と、昨年度に比べて増加しており、引上げ率が高まっている。

 2023年度の「ベア+定期昇給+賞与等を含む年収ベース」の引上げ率について、全規模・全産業ベースでみると、何らかの賃上げを実施した企業のうち、上記引上げ率を「3%以上」と回答した企業は6割と、昨年度から+26ポイントと大幅に増加している。規模別でみると、上記引上げ率を「3%以上」と回答した割合は、昨年度に比べ、大企業(+34ポイント)ほどではないものの、中堅・中小企業も+21ポイントと伸びている。

 2023年度に賃金引上げを実施する理由(3つまで回答)は、「社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止」と回答した企業が80.4%と最も多い。企業からは「人材確保のため賃上げが必要」などの声が聞かれた。一方で、賃上げを実施しない理由(同)については、「業績(収益)低迷(見通し含む)」と回答して企業が67.6%と最も多い。企業からは、「原材料価格や電気料金の高騰に伴う業績低迷にため」などの声が寄せられた。

 非正規職員に対する待遇(複数回答)については、「非正規雇用に対する給与・一時金・手当等の増加」の実施割合が54.8%と昨年度(48.7%)よりも増加。また、「非正規雇用から正規雇用への転換の推進」も48.8%と昨年度(47.5%)よりも増加している。非正規職員に対する賃金等の待遇改善の取組みの実施割合は、製造業(76.1%)よりも非製造業(86.6%)において高い。

 同調査結果は

https://www.google.com/url?client=internal-element-cse&cx=015355283094946217929:qry5ib_fqyq&q=https://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/kannai/202301/tokubetsu.pdf&sa=U&ved=2ahUKEwiL1Lu_vMT-AhUIilYBHSq4CzoQFnoECAAQAQ&usg=AOvVaw2lGVzqaf3hkA9zvYLmxEMV