電気料金値上げ、1年で4割増も価格転嫁率は14.9%

帝国データバンクが発表した「電気料金値上げに関する企業の実態アンケート調査」結果(有効回答数1097社)によると、1年前と比べた電気料金の総額の変化は、「【増加】20~40%未満」とした企業が全体の33.1%で最も高かった。次いで「【増加】40~60%未満」(21.1%)、「【増加】20%未満」(20.0%)が続いた。【増加】した企業の合計は93.6%に達し、9割超の企業で1年前より電気料金の総額が増加した。

他方、「変わらない」は3.3%、「減少」は1.0%だった。電気料金の総額は1年前より平均で39.4%増え、約1.4倍に増加した。2022年12月に実施した前回調査と比べると、【増加】した企業を合わせた割合は7.0ポイント増加(前回調査86.6%⇒今回調査93.6%)。20%以上増加した企業の割合が高まっており、料金変化率の平均は10.7ポイント上昇(同 28.7%増⇒同 39.4%増)している。

一方で、電気料金の増加分の販売価格やサービス料金への転嫁状況は、「全く価格転嫁できていない」と回答した企業が57.2%と6割近くを占めた。対して、「多少なりとも価格転嫁できている」企業は42.8%だった。内訳をみると、電気料金の増加分に対し、「2割未満」と回答した企業が20.7%で最も多く、「2割以上5割未満」が10.1%、「5割以上8割未満」が7.1%で続いた。

今回の価格転嫁の回答から算出した電気料金の増加分に対する販売価格等への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は14.9%にとどまった。これは電気料金が100円増加した場合に14.9 円しか販売価格等に反映できていないことを示している。前回調査と比べると、「多少なりとも価格転嫁できている」企業の割合は13.2ポイント増加(前回調査29.6%⇒今回調査42.8%)し、「価格転嫁率」も5.0ポイント上昇(同9.9%⇒同14.9%)した。

政府は、毎月の電気料金を2023年1月使用分(2月の請求分)から9月使用分まで値引きすることを決めた。しかし、今回の調査が示す通り、電気料金の値上げによって企業負担が増し、収益環境の厳しい状況が続いているのが実情。電気料金がコスト全体に占める割合は業種・業態によって差異はあるものの、電気料金の値上げが続くなかで価格転嫁が十分に進まなければ事業継続が難しくなる企業が増えそうだ。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230405.pdf