中小企業に今こそ求められる販売価格見直しの取組み

 信金中央金庫は、「中小企業に今こそ求められる販売価格見直しへの取組み」と題したレポートを発表した。これは、資源価格やエネルギー価格が高止まりするなかで、中小企業において販売価格を引き上げることの重要性がますます高まっていることから、全国の信用金庫の協力を得て四半期ごとに実施している「全国中小企業景気動向調査」の結果を基に、中小企業における販売価格の引上げ状況とその効果について調査したもの。

 それによると、販売価格判断DIは、直近ではプラス27.1となり、バブル崩壊後の最高水準にある。販売価格を引き上げている企業の割合と引き下げている企業の割合の推移を追うと、販売価格を引き上げている企業の割合は上昇傾向にあり、直近では30%を超えている。一方で、いまだに販売価格を引き下げている企業も5%程度存在しており、苦しい企業も一定数いることがうかがえる。

 販売価格への回答別に業況判断DIをみると、販売価格引上げを実現している企業では業況が押しなべて順調な状況にある一方で、販売価格を引き下げている企業の業況は極めて厳しい状況にある。コメントからは、「原材料価格高騰により資金繰りが悪化し、経費削減に追われていることから、デジタル投資ができていない(衣料品製造 宮崎)」などのように、販売価格の引上げが進まず業況や資金繰りが厳しいとの声が寄せられている。

 今回は販売価格判断DIと、販売価格への回答別にみた業況判断DI及び資金繰り判断DIを確認した結果、価格転嫁に成功し業況が順調に推移している企業がある一方、販売価格の引上げが進まず業況や資金繰りが厳しい企業も存在した。調査コメントからは、多くの企業が仕入価格高騰の影響を受けており、価格転嫁が求められる状況にあることがうかがえる。なお、価格転嫁には時間を要することも想定されるとしている。

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https://www.scbri.jp/reports/newstopics/20230414-post-436.html