帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、3月の倒産件数は800件で、前月比では39.4%増加、前年同月比でも36.3%増加し、11ヵ月連続で前年同月を上回り、月次ベースでは2020年7月(847件)以来2年8ヵ月ぶりに800件を超え、コロナ禍前の700~800件/月の水準に達した。業種別では、全業種で前年同月比増加、「飲食店」の大幅増が続いている。
一方、負債総額は1435億1400万円(前月1005億4600万円、前年同月1825億8200万円)となり、前月比では42.7%増の大幅増加となったものの、前年同月からは2ヵ月ぶりに20%以上の大幅減となった。負債5000万円未満の小規模零細企業が相変わらず6割弱を占める。3月の負債額トップは、有機ELディスプレイ製造の(株)JOLED(民事再生法、東京都)の337億4100万円だった。
業種別にみると、全業種で前年同月から増加。人手不足・高齢化が進む「建設業」(前年同月比40.9%増)は、とび工事や型枠大工工事といった「職別工事」などで増加したこともあり、前年同月から40%以上増加。「小売業」(同37.8%増)では、前月に引き続き「飲食店」(前年同月49件→72件)が大幅増となった。「運輸・通信業」(同32.1%増)は、2009年7月以来13年8ヵ月ぶりの6ヵ月連続二ケタ増を記録した。
負債規模別にみると、「5000万円未満」の倒産が449件(前年同月比28.7%増)発生し、構成比56.1%を占めた。「1億円未満」(同61.3%増)は8年ぶり、「5億円未満」(同57.6%増)は4年5ヵ月ぶりに150件台に達し、負債1~10億円の中堅規模の倒産増加が目立った。 資本金規模別では、「1000万円未満(個人事業主含む)」の倒産が538件(前年同月399件、34.8%増)発生し、構成比は67.3%を占めた。
地域別にみると、「東北」を除く全地域で前年同月を上回った。「関東」(前年同月178件→292件、64.0%増)では、「東京」(同96件→148件)や「神奈川」(同21件→58件)などの大幅増もあり、全体として2009年7月以来13年8ヵ月ぶりの100件以上の増加を記録。「近畿」(同147件→178件、21.1%増)は、製造業(同10件→26件)の急増が全体の件数を押し上げた。
同倒産状況の概要は