全国求人情報協会が2022年卒新卒者を対象に実施した「2022年卒新卒者の入社後追跡調査」結果(有効回答数700人)によると、入社前調査(2022年3月)での新卒入社予定の企業・団体等への就業意識は、20.6%が入社前の時点で「転職志向」だった。入社後調査(入社後約半年:2022年10月)では、入社前に転職志向だった人の24.5%が「勤続志向」に転じたが、69.2%は入社後約半年時点で転職志向または既に離職した。
入社予定の企業・団体等への就職活動開始当初の志望度は、「当初はまったく志望していなかった」人は31.5%。その企業・団体等への就業意識は、入社前は転職志向の割合が20.1%だったのに対し、入社半年時点では40.8%(既に離職した人を含む)だった。入社後に感じた適職意識については、「まだよくわからない」が40.0%と最も高く、「自分はこの会社で仕事をするのに向いていそうだと感じた」人は39.2%だった。
また、初期キャリアに求められる要素が、どの程度獲得できているかを測るために、「仕事理解」、「自己理解」、「キャリア積極性」に関わる全6項目の設問に対する回答を点数化(「あてはまる:5点」から「あてはまらない:1点」の5段階評価)し、全て合計した点数(30点満点)を「初期キャリア獲得度指数」と設定。回答者を初期キャリア獲得度指数によって、「高位」グループ、「中位」グループ、「低位」グループに分類した。
その結果、入社半年時点における初期キャリア獲得度指数別に、適職意識についてみたところ、高位では62.1%が適職意識を感じている一方で、中位では40.4%、低位では9.9%だった。高位と中位の差分は21.7ポイントだったのに対し、中位と低位の差分は30.5ポイントと大きかった。また、初期キャリア獲得度指数別の就業意識については、高位では76.0%が勤続志向である一方で、中位では63.7%、低位では30.1%だった。
入社半年時点での初期キャリア獲得度指数を、入社時点での獲得度指数別にみたところ、入社時点で高位だった人のうち、87.5%は入社半年時点においても高位を維持している。入社時点、入社半年時点間での初期キャリア獲得指数の変化をみると、「維持」が71.9%で最も高かった。「上がった」の19.5%と「下がった」の8.6%を合わせると、3割弱の人は入社後半年の間でグループの変化がみられた。
なお、勤務先におけるコミュニケーションの程度をテレワーク/在宅勤務の経験別にみると、いずれの項目においてもテレワーク/在宅勤務経験有りの人の「十分だった・計」の割合が、テレワーク/在宅勤務経験無しの人よりも高かった。特に「同僚同士を気にかけたり・助け合う機会」では、テレワーク/在宅勤務経験有りの人の54.8%が十分だったと回答しており、テレワーク/在宅勤務経験無しの人の38.3%より16.5ポイント高かった。
同調査結果は
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