2023年度に中小企業の約6割が賃上げを実施予定

 日本商工会議所及び東京商工会議所が発表した「最低賃金及び中小企業の賃金・雇用に関する調査」結果(有効回答数3308社)によると、「人手不足」と回答した企業は64.3%で、昨年同時期から3.6ポイント増加した。「人手不足」の企業を業種別にみると、「建設業」(78.2%)が最も高く、「情報通信・情報サービス業」(76.3%)、「運輸業」(74.4%)、「介護・看護業」(73.3%)、「宿泊・飲食業」(72.2%)で7割を超える。

 人手不足の対応方法(複数回答)は、「正社員を増やす」が80.7%で最多。「IT化、設備投資による業務効率化・自動化」(30.5%)や「業務プロセスの改善による効率化」(29.4%)、「従業員の能力開発による生産性向上」(29.0%)など、業務効率化や生産性向上の取組みはいずれも約3割。働く人にとって魅力ある企業・職場となるために実施・検討している取組み(複数回答)は、「賃上げの実施、募集賃金の引上げ」(66.3%)が最も多かった。

 2023年度の賃上げについては、「賃上げを実施予定」と回答した企業は6割近く(58.2%、昨年+12.4ポイント)に達した。うち業績改善を伴わない「防衛的な賃上げ」は6割強(62.2%、昨年▲7.2ポイント)。 賃上げ率については、近年の中小企業の賃上げ率(2%弱)を上回る「2%以上」とする企業は58.6%、足下の消費者物価上昇率を概ねカバーする「4%以上」とする企業は18.7%だった。

 最低賃金引上げについては、2022年10月の過去最高の最低賃金引上げ(全国加重平均31円:930円→961円)を受け、「最低賃金を下回り、賃金を引き上げた」企業(直接的な影響を受けた企業)は38.8%。昨年同時期から1.5ポイント減少も、2020年の41.8%、2022年の40.3%に次ぐ高い割合となった。「最低賃金を上回っていたが、賃金を引き上げた」企業は24.6%と、昨年同時期(15.9%)から8.7ポイント増加した。

 最低賃金の引上げで影響を受けた企業を業種別でみると、「宿泊・飲食業」(60.3%)、「小売業」(52.1%)で直接的な影響を受けた企業の割合が5割を超える。最低賃金額を下回ったため賃金を引き上げた従業員の属性(複数回答)は、「パートタイム労働者(主婦パート、学生アルバイトなど)」(72.4%)が最多。一方、「正社員」(22.4%)、「フルタイム・有期契約労働者」(19.6%)と回答した企業の割合はそれぞれ約2割にとどまった。

 2023年度の最低賃金額の改定に対する考えは、「引き上げるべき」と回答した企業は42.4%で、「引き下げるべき」、「引上げはせずに、現状の金額を維持すべき」とする企業(33.7%)を8.7ポイント上回る。2022年度の引上げ率(3.3%)相当の「3%超の引上げ」とする企業は12.3%。「引き上げるべき」と回答した理由(複数回答)は、「物価が上がっており、引上げはやむを得ないから」(89.3%)が最も多かった。

 同調査結果は

https://www.jcci.or.jp/20230328_survey_release.pdf