帝国データバンクがこのほど発表した「東京23区のスタートアップ企業に関する動向調査」結果によると、東京23区内における設立10年以内のスタートアップ企業数2549社の所在地の割合は、「港区」が22.6%で最も高く、幅広い業種が顔を並べている。次いで“若者の街”として賑わう「渋谷区」(22.1%)が続き、EC、エンタメ、ファッションなど個人向けサービスを展開している企業が多い。
さらに、大手町・丸の内エリアが代表的な「千代田区」(14.8%)では DX、FinTechなどのテック系企業、大手製薬会社の本社が集う「中央区」(11.2%)ではヘルスケア系企業の集積が目立ち、各地域でさまざまな特色が表れている。また、スタートアップ企業の資本金を設立年別にみると、設立10年目の企業(2013年設立)は、平均約3億550万円と最も高くなっている。
一方、設立3年目以降の推移をみると、設立8年目(2015年設立)は、平均約1億4330万円となった。比較的資金調達がしやすい新株発行など「エクイティファイナンス」で得た資金を、事業に行き詰まり、経営スリム化・立直しの一環として、減資によって負債を縮小させ、バランスシートの改善を多く行われる時期と想定され、設立8年目がスタートアップ経営の拡大と縮小の分岐点とされる時期とも言える。
従来、スタートアップ企業にとって「デットファイナンス」の代表格、金融機関からの融資を受けるハードルは高かったが、近年はスタートアップ企業に対する融資は今後の拡大が期待される。スタートアップ企業の平均自己資本比率をみると、設立1年目では92.0%と高位にある一方、設立2年目以降から平均は70%を下回り、金融機関など間接金融による融資の割合が大きくなるなかで、自己資本比率が下がる傾向が明らかになった。
スタートアップ企業を設立した際の社長の平均年齢は、少子高齢化の影響から、一般企業の創業者平均年齢も高齢化が進むなか、シニア向けの起業家支援などの効果も後押しし、設立2年目(2021年設立)では40.0歳となった。しかし、各大学などがスタートアップ起業支援に力を入れ始めたことなどから、設立1年目創業者の平均年齢は低下し、反動減となった。今後、スタートアップ創業社長の更なる若年齢化が進む可能性がある。
スタートアップ企業を独自の事業分野別でみると、「DX」が12.2%で最も多かった。次いで「バイオ・ヘルスケア」と「くらし」(ともに8.2%)などが続いた。これまでにない革新的/特徴的なビジネスモデルを武器に成長を目指すのがスタートアップ企業であり、その源泉としてITなどの新技術を用いる傾向が強いことから、テック系関連が上位に多く並んでいる。
同調査結果は