大阪商工会議所が会員企業を対象に2月9日~24日に実施した「インボイス対応に係るアンケート調査」結果(有効回答数334社)によると、インボイス制度導入(2023年10月)に向けた準備状況は、課税事業者の約9割(90.6%)が「導入までに準備・対応を完了できる見込み」である一方、免税事業者では4割強(41.9%)にとどまる。免税事業者では導入までに準備・対応を「完了できるか不明・できない見込」が4割弱(37.1%)。
適格請求書発行事業者への登録申請状況については、課税事業者では全企業が「すでに登録済み・今後登録する予定」と回答。免税事業者は多い順に「すでに登録済み・今後登録する予定」(41.9%)、「登録申請は行わない予定」(21.0%)。また、「インボイス制度についてよく理解しておらず、今後登録するべきか分からない」(19.4%)、「登録申請をすべきか検討している最中」(17.7%)との回答もそれぞれ2割弱あった。
現時点で「免税事業者との取引あり」とする企業は6割台前半(63.8)だったが、取引のある免税事業者との現時点でのやり取りについては、2022年5月時点の調査(83.2%)からは減少したが、半数以上(52.1%)が「現時点では何の連絡・取り決めもしていない」と回答。次いで「インボイス制度についての情報提供を行った」(33.7%)、「インボイス発行の可否、今後の課税選択意向について問い合わせた」(33.1%)などが続いた。
インボイス制度導入後の免税事業者との取引方針は、「未定(6年間の仕入税額控除経過措置中に検討する)」(40.8%)が最多、次いで「特に大きな影響・変化はない」(33.7%)。免税事業者との取引を何らかの形で見直す(「免税事業者との取引条件を変更」、「免税事業者との取引を減らす」、「全ての免税事業者との取引をやめる」の合計)と回答した企業は約2割(20.1%)。業種別では、製造業の約3割(31.7%)が「取引を見直す」と回答した。
取引のある課税事業者とのやり取りは、「現時点では何の連絡・取り決めもしていない」とする回答が6割超(61.3%)で最多。次いで、「インボイス制度についての情報提供があった」(24.2%)。また、免税事業者のインボイス導入に向けた対応方針については、「取引への影響を鑑み、インボイス発行可能な課税事業者に変更する」が3割台前半(33.9%)で最多、次いで「税理士等専門家や支援機関に相談して決める」(27.4%)だった。
なお、税務会計の処理者について、課税事業者では、主な税務会計の処理者は「税理士」(52.5%)、「経理担当等自社社員」(42.6%)であるのに対して、免税事業者の半数以上(51.6%)は「経営者自身」となっている。また、インボイス制度対応に向けた政府等の支援策で活用したもの(複数回答)は、課税事業者は「国税庁・税務署による情報提供」(58.8%)が最多だったが、免税事業者は12.8%と課税事業者との間の格差が大きい。
同調査結果は
https://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/20230317inv.pdf