2月の企業倒産574件、底打ちから増加基調が続く

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、2月の倒産件数は574件で、前月比では5.1%増加、前年同月比でも34.1%増加し、10ヵ月連続の前年同月比増加となった。前年同月から30%以上の増加は、コロナ禍で法的整理の滞留による影響から反動増となった2021年5月を除くと、2009年1月(30.2%増)以来14年1ヵ月ぶり。底打ちから増加基調が続いている。

 一方、負債総額は1005億4600万円(前月507億6900万円、前年同月780億6600万円)となり、前月比では98.0%増、前年同月比でも28.8%の増加となり、3ヵ月ぶりに前年同月から増加。2月としては2019年以来4年ぶりに1000億円超を記録したが、負債5000万円未満の小規模零細企業が相変わらず6割強を占める。2月の負債額トップは、お好み焼き・鉄板焼き店の(株)ダイナミクス(破産、東京都)の106億7800万円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。小売業(前年同月83件→127件、53.0%増)は、2020年4月以来2年10ヵ月ぶりに40件以上増加。特に飲食店(同33件→66件)は、原材料高や助成金の縮小・終了による収益悪化の影響もあり倍増。また、建設業(同69件→111件、60.9%増)は、設備工事(同14件→31件)などで増加したこともあり、全体でも40件以上の大幅な増加を記録した。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は350件(前年同月比42.9%増)で、7ヵ月連続の前年同月比増加、構成比は61.0%を占めた。また、「1億円未満」は85件(同44.1%増)発生し、1億円未満合計で前年同月から130件以上増加するなど、中小零細規模での増加が目立った。資本金規模別では、「個人+1000万円未満」が404件(同47.4%増)発生し、構成比は70.4%を占めた。

 地域別にみると、9地域中四国を除く8地域で前年同月を上回った。近畿(前年同月88件→142件、61.4%増)では、サービス業(同20件→40件)や建設業(同11件→27件)などの増加の影響もあり、2008年4月以来14年10ヵ月ぶりに3ヵ月連続で前年同月比二ケタ増となった。中部(同38件→83件、118.4%増)は、原材料高によるコスト増を価格転嫁しにくい飲食料品卸売や飲食店など食品関連産業で増加が目立った。

 同倒産状況の概要は

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/2302.html