非正規労働者は「正社員と同じ内容の仕事」が6割弱

 連合総研が発表した「非正規で雇用される労働者の働き方・意識に関するアンケート調査」結果(有効回答数2000人)によると、賃上げに対する考え方は、「正社員の賃金も非正規の賃金も上げる」が77.6%と多数に及び、「非正規の賃金を上げて、正社員の賃金は今のまま」が13.8%、「非正規の賃金を上げて、正社員の賃金を下げる」は 5.6%で、非正規のみの賃上げが望ましいと考える割合は2割に満たない。

 正社員と比較した仕事の難易度をみると、「正社員と同じ内容で同程度の仕事」は26.4%。そのほか、「正社員と同じ内容で高度な仕事」が2.5%、「正社員と同じ内容で正社員よりも軽易な仕事」(28.2%)を合わせた「正社員と同じ内容の仕事」は57.0%と6割弱を占める。就業形態別では、契約社員・準社員で「正社員と同じ内容で同程度の仕事」が42.4%を占め、パート・アルバイト(22.6%)を大きく上回る。

 職務の内容等がほぼ同じ正社員と比較した賃金水準については、「賃金水準は低くかなりの格差がある」(36.0%)と「賃金格差はあるが許容できる程度」(36.6%)がともに3割台半ばを占め、「賃金水準はほぼ同等以上である」(8.3%)は1割に満たない。雇用契約期間は、「期間の定めはない」、いわゆる無期雇用契約の割合が39.2%と4割を占める。「わからない」が12.1%を占めるため、回答者のうち、有期雇用契約の割合は48.7%だ。

 1時間あたりの賃金は、「1000円台」(27.0%)と「900円台」(25.3%)に集中し、平均 1141円(中央値:1040円)。就業形態別にみると、パート・アルバイトは900円台~1000円台が中心だが、契約社員では「1400円以上」が3割、派遣社員では4割近くを占める。主たる仕事の1週間あたりの実労働時間(残業含む)をみると、「20時間未満」が30.5%、「20~30時間未満が23.0%を占め、過半数が30時間未満。

 現在の仕事への不満や不安(複数回答)をみると、「不満や不安はない」(23.6%)にとどまり、多くが不満や不安を抱えている。「ボーナス(賞与)がない・少ない」(40.7%)と「賃金が低い」(36.7%)が4割前後と多く、これに「仕事の経験を積んでも賃金が増えない」が25.3%で続いており、賃金にかかわる不満が上位にあげられている。以下、「職場の人間関係が悪い」、「有給休暇が取りにくい」、「仕事がきつい」などが1割台で続いている。

 非正規労働者のために労働組合が行うべき取組み(複数回答)は、74.6%が「賃金・ボーナスの改善」を挙げ、これに「退職金の支給」(42.5%)、「労働時間・休日・休暇の改善・充実」(42.3%)などが続く。また、組合員(500人)のうち、組合に「このまま加入したい」が42.6%。非組合員(1500人)は「加入したい」と「すすめられたら加入してもよい」があわせて2割台半ばで、「わからない」が過半数に及ぶ。

 同調査結果は

https://www.rengo-soken.or.jp/work/8f91682a972c2615145bf1b4212ca887db6197b1.pdf