国税庁はこのほど、インボイスコールセンターに寄せられた質問のうち、とくに問合わせの多い事項を集約したインボイス「お問合せの多いご質問」を更新した。「お問合せの多いご質問」は、インボイス制度の概要やインボイス発行事業者の登録制度、インボイス発行事業者の義務、インボイス制度下での仕入税額控除の要件、2023年度税制改正法案等の内容について全15の設問からなる。
今回追加されたのは、「2023年度税制改正の激変緩和措置」、「2023年10月1日からインボイス発行事業者となる場合の登録申請」のほか、追加問として、「税抜経理を採用し、積上げ計算を行っている場合における適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算」を追加し、経過措置適用時の税額計算(税抜経理で「積上げ計算」を採用)について、柔軟な方法が認められる旨を明らかにしている。
追加問では、売上税額の計算は積上げ計算方式によることとし、税抜経理を採用していることから、適格請求書等保存方式下における仕入税額の計算については帳簿積上げ計算方式を採用する予定の事業者が、2026年9月30日までの間に行う経過措置の適用を受ける適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る消費税額の計算方法について、具体的な計算例を挙げて質問している。
これは「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(2022年11月改訂)」の公表後、問合せの多い事項について追加問としたもの。経過措置適用時の仕入税額とみなす金額の計算で用いる「110分の7.8」は地方消費税を除いた国税の消費税部分であり、地方消費税を加味した「仮払消費税」とは異なる金額となるため、仮払消費税とは別にその金額を管理等する必要が生じ、対応が難しいとの疑問が寄せられていた。
そこで国税庁は、地方消費税も含めた「110分の10」により課税仕入れの都度算出した仮払消費税額等の合計額による方法で計算することも認められることを示している。具体的には、課税仕入れの都度、経過措置対象分(消費税額等相当額の100分の80)の仮払消費税額等を算出し、端数処理がなされているのであれば、その計算方法により算出した金額を経過措置の適用を受けた課税仕入れに係る消費税額としても差し支えないとした。
「お問合せの多いご質問」は
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0521-1334-faq.pdf