借入金残高が「減少した」小企業割合は前年から上昇

 日本政策金融公庫が、取引先企業を対象に昨年12月中旬に実施した「小企業の借入に関する調査」結果(有効回答数6140社)によると、金融機関からの借入金残高の増減は、1年前と比べて「減少した」と回答した企業の割合は、50.1%と2021年から3.7ポイント上昇し、「増加した」企業の割合(18.5%)を大きく上回っている。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「増加した」割合が高くなっている。

 借入金残高の水準に関する認識は、「適正」と考えている企業が全体の59.1%を占める一方、「過大」と考えている企業の割合も36.7%を占める。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「過大」の割合が高い。今後1年間の借入金残高に関する方針は、「減らす」と回答した企業の割合は、56.3%と「増やす」企業の割合(8.5%)を大きく上回っている。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「増やす」の割合が高くなっている。

 2022年に「借入した(する予定)」と回答した企業割合は、30.0%と2021年から3.0ポイント低下。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「借入した(する予定)」割合が高くなっている。2022年に借入した(する予定)企業の、そのうちで最も大きな借入の資金使途(複数回答)は、「日常的な仕入・経費支払」が50.8%と最も多く、次いで「余剰手元資金の確保」(25.2%)、「赤字補塡」(17.7%)の順となっている。

 資金使途を従業者規模別にみると、「設備の増設・新設」、「従業員の増員」などでは従業者「10人以上」の企業が最も多くなっているのに対し、「日常的な仕入・経費支払」「赤字補塡」では「1~4人」の企業が最も多くなっている。また、2022年に借入した(する予定)企業のうち、借入金利が前年と比べて「上がった」と回答した企業割合は、16.5%と2021年から6.8ポイント上昇した。

 2022年後半に金融機関からの接触頻度が「増えた」と回答した企業割合は、メインバンクについては6.8%、メインバンク以外の金融機関については6.2%となった。一方、「減った」と回答した企業割合は、それぞれ16.2%、16.4%となっている。いずれの金融機関についても「変わらない」と回答した企業割合が8割弱を占めている。従業者規模別にみると、規模が大きくなるほど「増えた」割合が高くなっている。

 同調査結果は

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/tokubetu_230224.pdf