4割が人材確保・定着等に「防衛的賃上げ」を実施

 大阪商工会議所が発表した「中小企業の2023年の賃上げに関する調査」結果(有効回答数85社)によると、2023年の賃上げ予定については、全体の4割(40.0%)の企業が、「業績が改善しないが、賃上げを実施」するいわゆる防衛的な賃上げをせざるを得ない状況であることが分かった。賃上げ予定と回答した企業63社のうち、「前向きな賃上げ」が46.0%、「防衛的な賃上げ」が54.0%となった。

 2023年に「賃上げする予定」の企業は、「業績の改善が見られるため、賃上げを実施(前向きな賃上げ)」(34.1%) と「業績が改善しないが、賃上げを実施(防衛的賃上げ)」(40.0%)を合わせた7割台半ば(74.1%)を占める。一方で、「賃上げ予定なし」の企業は、「賃上げしたいが見送る」(21.2%)と、「もともと賃上げ予定なし」(4.7%)を合わせると2割台半ば(25.9%)となった。

 賃上げする理由(複数回答)については、「人材確保・定着」が7割台半ば(76.2%)で最も多く、次いで、「物価上昇への配慮」が6割強(63.5%)、「最低賃金の引上げ」(14.3%)が続いた。一方、賃上げしない理由(複数回答)では、「資源・原材料価格などコスト増」(54.5%)が最も多く、次いで、「先行き不透明」(45.5%)、「業績悪化」(31.8%)、「人件費・社会保険料の負担増」(31.8%)などが上位に挙げられた。

 2021年~2023年の賃上げ率については、2023年にかけて「0~1%台」、「2%台」との回答は減少する一方、「3%台」、「5%以上」が増加。足もとの物価上昇率に見合う、賃上げ率4%以上を実施する企業は、16.5%(2023年の回答のうち、「4%台」1.2%と、 「5%以上」15.3%の合計)。特に、2021年、2022年と比較して、2023年は「5%以上」との回答が増加(2021年2.4%、 2022年4.7%、2023年15.3%)した。

 また、賃上げできる環境整備のために必要な支援として、1年前と比べたコスト上昇分の価格転嫁状況は、価格転嫁率が50%未満の企業が約半数(52.9%)(「全く転嫁できない」17.6%、「25%未満」21.2%、「25~50%未満」14.1% の合計)を占めた。中小企業が賃上げできる環境整備のために必要な支援(複数回答)は、「景気対策」(61.2%)、「補助金・助成金の拡充・使い勝手向上」(50.6%)、「価格転嫁支援」(31.8%)などが上位となった。

 同調査結果は

https://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/press/20230217wage.pdf