人手不足企業、正社員は5ヵ月連続5割超えの高水準

 出口の見えない人手不足状態が続いている。帝国データバンクがこのほど発表した「人手不足に対する企業の動向調査」結果(有効回答数1万1719社)によると、2023年1月時点で人手不足を感じている企業の割合は、正社員では51.7%、非正社員では31.0%で、それぞれ5ヵ月連続で5割超、3割超の高水準となった。特に個人向けサービス業の代表格「旅館・ホテル」、「飲食店」は群を抜いた高い割合となった。

 2023年1月時点における従業員の過不足状況は、正社員について「不足」と感じている企業は51.7%。前年同月から3.9ポイント増加しており、月次ベースにおいても5ヵ月連続の5割超となり、上昇傾向が顕著となっている。業種別にみると、インバウンド需要の高まりによって景況感の回復がみられる「旅館・ホテル」が77.8%で最も高かった。月次でも3ヵ月連続のトップとなり、人手不足が群を抜いて目立っている。

 一方、非正社員について「不足」と感じている企業は 31.0%となった。1月としては2019 年以来4年ぶりの3割超となり、当時の水準に迫っている。月次においても5ヵ月連続の3割超だった。規模別では、大企業では33.4%、中小企業では30.6%、小規模企業では29.2%となり、各規模でそれぞれ3割前後の人手不足となっている。なお、非正社員の人手を「適正」と感じている企業は61.5%と大半を占めた。

 非正社員の人手不足割合を業種別にみると、「旅館・ホテル」が 81.1%で最も高く、正社員と同様にトップ。次いで「飲食店」が 80.4%で続き、この2業種が群を抜いた人手不足状態に陥っている。飲食店業界からは、コロナ禍の相次ぐ時短営業で離れてしまった働き手が戻ってこないという声が多く聞かれる。また、「人材派遣・紹介」(60.5%)も高く、「飲食料品小売」(56.0%)、「各種商品小売」(50.9%)といった小売業も5割超で続いた。

 旧来から人手不足が目立つ「旅館・ホテル」と「飲食店」は、一層深刻さを増している。2023年1月時点では、特に「旅館・ホテル」に関して正社員は77.8%で8割に迫り、非正社員は81.1%で過去最高を記録している。また、「飲食店」の正社員も60.9%と高水準で、さらに非正社員では80.4%と8割を超え、新型コロナウイルス発生以降(2020年4月)で最も高くなった。

 早くも今年のキーワードとして重要視される「賃上げ」は、人材の獲得や定着に向けて避けては通れない要素となり得る。実際に、2023年度の見込みでは人手不足企業(63.1%)は全体(56.5%)より高い。また、従業員数区分では「6~20人」、「21~50人」、「51~100人」のような中小企業で特に賃上げ意識が高い。しかし、規模が小さい「5人以下」では賃上げを実施する見込みは弱く、人手不足企業においても51.4%で全体より低位となった。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230207.pdf