負債1000万円未満の倒産、4年ぶりに前年同月上回る

 東京商工リサーチが発表した「負債1000万年未満の倒産状況調査」結果によると、2023年1月の負債1000万円未満の小口の企業倒産は32件(前年同月比60.0%増)で、1月としては2019年以来、4年ぶりに前年同月を上回った。ただ、引き続き低水準で推移している。このうち、「新型コロナ」関連倒産は11件(同266.6%増)で、負債1000万円未満の倒産の3割超(構成比34.3%)を占めた。

 負債1000万円未満の倒産は、資金余力が乏しい小・零細企業がほとんどを占めている。コロナ関連の各種支援も縮小・終了するなか、業績回復も進まず、事業継続の断念につながりやすいとみられている。同調査は、2023年1月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1000万円以上)に含まれない、負債1000万円未満の倒産を集計、分析したもの。

 産業別でみると、最多は、「サービス業他」の15件(前年同月比25.0%増)で、5年ぶりに前年同月を上回った。このほか、「建設業」4件(同33.3%増)が5年ぶり、「製造業」2件が4年ぶり、「卸売業」3件と「不動産業」2件が3年ぶり、「運輸業」1件が2年ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。また、「農・林・漁・鉱業」が2011年以降、13年連続、「金融・保険業」が2年連続で、それぞれ発生がなかった。

 形態別は、「破産」が32件(前年同月比60.0%増)で、4年ぶりに前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産に占める構成比は、2年連続で100.0%だった。一方、再建型の会社更生法は2009年以降の15年連続、民事再生法は3年連続、それぞれ発生がなかった。負債1000万円未満の倒産は、自力での経営再建や事業再構築は難しく、深刻な業績不振に陥ると事業継続を諦めて債務整理のため、破産を申請する動きが透けて見える。

 原因別は、最多が「販売不振」の22件(前年同月比69.2%増)で、2年ぶりに前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産の約7割(構成比68.7%)を占め、前年同月の65.0%より3.7ポイント上昇した。『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は22件(同69.2%増)で、4年ぶりに前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産に占める構成比は68.7%で、前年同月の65.0%より3.7ポイント上昇した。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230208_01.html