労務行政研究所が毎年発表している「賃上げに関するアンケート調査」結果によると、2023年の賃上げ見通しは、全回答者439人の平均で8590円・2.75%(定昇分含む)となった。厚生労働省調査における主要企業の22年賃上げ実績(6898円・2.20%)から、1692円・0.55ポイントのプラスとなり、98年(2.66%、厚生労働省調査)以来25年ぶりの高水準となる予測となっている。
同調査は、労働側238人、経営側101人、労働経済分野の専門家100人の計439人の回答を集計したもの。賃上げ率の分布を見ると、労使とも「3.0~3.1%」が最も多く(労働側 22.7%、経営側23.8%)、「2.0~2.1%」が続いている(労働側17.2%、経営側 22.8%)。労使別の額・率の平均は、労働側が8532円・2.74%、経営側が8601円・2.75%となっており、経営側が労働側をわずかに上回っている。
また、自社における2023年の定昇については、労働側で89.5%が「実施すべき」、経営側で93.1%が「実施する予定」と回答し、労使とも大半が実施に前向きな意向を示している。経営側の「実施しない(凍結する)予定」は1.0%にとどまった。一方、ベースアップに関しては、労働者側では「実施すべき」が87.4%と大半を占めた。経営側では「実施する予定」が41.6%と、「実施しない予定」(21.8%)の2倍程度となっている。
経営側では、企業業績の伸びや官製春闘などの影響を受け、ベアを「実施する予定」の割合が15年に35.7%と増加。16~19年は“20~30%台”で推移していたが、20年に16.9%と2割を下回り、21年は4.8%とさらに低下。22年は17.0%と若干上昇し、23年は41.6%と過去10年で最も高い。なお、20年調査から経営側の設問項目に「検討中」を追加しており、19年以前とは回答傾向が異なる可能性があるため、比較の際は留意が必要だ。
経営側について、自社におけるベアの“22年の実績”と“23年の予定”をみてみると、22年の実績は、「実施した」が54.5%と、「実施しなかった」の41.6%を12.9ポイント上回っている。22年の実績と23年の予定を併せてみると、両年とも“実施”が31.7%で最も多く、両年とも“実施しない”は16.8%にとどまっている。
同アンケート調査結果の詳細は
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000084318.pdf