2022年上場企業の「不適切な会計・経理」は55社

 東京商工リサーチが発表した「2022年全上場企業の不適切な会計・経理の開示企業調査」結果によると、同年に「不適切な会計・経理」(「不適切会計」)を開示した上場企業は、55社(前年比7.8%増)、件数も55件(同7.8%増)だった。2008年の集計開始以降、2019年の70社、73件をピークに2021年は51社、51件に減少をたどっていたが、2022年は3年ぶりに社数、件数とも前年を上回った。

 上場企業は国内市場の成熟で、製造業を中心に海外市場に積極的に展開。これに伴い、2021年は海外子会社や関係会社で不適切会計の開示に追い込まれた企業が目立ったが、2022年は国内連結子会社などでの不適切会計が増えた。2022年9月29日、東証は指紋認証機器の(株)ディー・ディー・エス(DDS)に対し、適時開示規則に違反し、株主や投資者の信頼を毀損として特設注意市場銘柄に指定し上場契約違約金2400万円を徴求。

 また、2022年12月9日、証券取引等監視委員会はDDSに対し、有価証券報告書等の虚偽記載の検査結果に基づき2億573万円の課徴金納付命令を勧告。DDSは売上の過大計上や貸倒引当金繰入額の過少計上等の不適正な会計処理を行い、事業活動の前提に重要な疑義を生じさせるような事象の存在にもかかわらず、有価証券報告書等にその具体的な内容を記載せず、多くの虚偽記載のある連結財務諸表を作成したとしている。

 内容別では、最多は経理や会計処理ミスなどの「誤り」で25件(構成比45.4%)。次いで、「架空売上の計上」や「水増し発注」などの「粉飾」が16件(同29.0%)。大東建託(株)は、連結子会社での未払金等の過大計上や広告宣伝費等の不適切な支払いなど計7億8100万円について今年度、会計処理を行った。また、子会社・関係会社の役員、従業員の「着服横領」は14件(同25.4%)だった。

 発生当事者別では、最多は「会社」の21社(構成比38.1%)。「会社」では会計処理手続きなどの誤りが目立った。「子会社・関係会社」は20社(同36.3%)で、売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立った。次いで、「従業員」の12社(同21.8%)、「役員」の2社(同3.6%)と続く。「会社」と「子会社・関係会社」は合計41社で、全体の約8割弱(同74.5%)を占めた。

 産業別では、「製造業」の17社(構成比30.9%)が最も多かった。製造業は、国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多い。着服横領も増えた。「運輸・情報通信業」の9社(同16.3%)では、子会社の不適切会計による「粉飾」、子会社社員や役員の「着服横領」などのケースが目立った。

 同調査結果は

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230123_01.html