人口重心とは、人口の一人ひとりが同じ重さを持つと仮定して、その地域内の人口が、全体として平衡を保つことのできる点をいう。国勢調査では、全数調査の利点をいかし、市区町村よりも小さい単位である町丁・字等や基本単位区(全国で約200万)別の集計を行っており、細かな地域分析を行うことにより、公共施設の適切な配置などの行政施策などに活用されている。
総務省は今回、2020年国勢調査に基づく基本単位区別の人口を用いて、全国及び都道府県の人口重心について取りまとめ、統計トピックス「我が国の人口重心」として公表した。それによると、我が国の人口重心は、東経137度03分20.44秒、北緯35度34分03.64秒となっており、これは「岐阜県関市立武儀小学校」(東経137度00分40.60秒、北緯35度35分08.15秒)から東南東へ約4.5キロメートルの位置にある。
2015年の人口重心(東経137度02分15.84秒、北緯35度34分51.44秒)に比べ、南東へ約2.2キロメートル(東へ約1.6キロメートル、南へ約1.5キロメートル)移動している。我が国の人口重心の動きを長期的にみると、首都圏への人口の転入超過が続いてきたことなどにより、おおむね東南東方向へ移動している。
国勢調査の行われる5年ごとの人口重心の移動距離は、1965年~1970年に東へ約8.3キロメートル移動したのを最長に、その後は約1~3キロメートルの移動となっており、2000年以降の我が国の人口重心は、現在の関市となっている。首都圏及び近畿圏の都府県の人口重心についてみると、2015年~2020年の移動方向は一様でないものの、山梨県を除く首都圏の各県は東京都の方向へ、近畿圏の各府県は大阪府の方向へ移動している。
首都圏の各県の人口重心から東京都の人口重心への方向と距離について、2015年から 2020年にかけての変化をみると、全ての県で、方向はおおむね変わらず、山梨県を除く各県において、距離が縮まっている。また、近畿圏の各府県の人口重心から大阪府の人口重心への方向と距離について、2015年から2020年にかけての変化をみると、全ての府県で、方向はおおむね変わらず、距離が縮まっている。
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https://www.stat.go.jp/data/kokusei/topics/pdf/topics135.pdf