信金中央金庫が発表した「2023年の経営見通しに関する特別調査」結果(有効回答数1万3361社)によると、2023年の我が国の景気見通しは、「良い」(「非常に良い」・「良い」・「やや良い」の合計)と回答する割合が8.7%、「悪い」(「やや悪い」・「悪い」・「非常に悪い」の合計)が66.6%となった。この結果、「良い-悪い」は▲57.9 と、1年前の調査と比べて14.9ポイントの低下。1992年の同調査開始以来の平均(▲55.8)をわずかながら下回った。
従業員規模別にみると、従業員4人以下の階層で弱気の見通しが目立った。業種別では、小売業で比較的弱気の見通しとなった。また、2023年の自社の業況見通しについては、「良い-悪い」が▲32.4 となり、1年前の調査に比べて5.3ポイントの小幅低下。1992年の同調査開始以来の平均(▲41.1)を上回ったが、コロナ前の水準を下回った。従業員規模別では、我が国の景気見通しと同様、従業員4人以下の階層で弱気の見通しが目立った。
2023年の自社の売上額見通し(伸び率)を「増加-減少」でみると、5.0となった。1年前の調査(7.6)から小幅に低下したものの、2年連続で増加が減少を上回った。地域別では、北海道、東北、首都圏でマイナス、残り8地域でプラスの見通し。従業員規模別では、4人以下を除くすべての階層でプラスとなった。また、総じて規模が大きいほど強気の傾向がみられた。業種別では、小売業を除くすべての業種でプラスとなった。
自社の業況が上向く転換点については、「すでに上向き」(14.4%)、「6ヵ月以内」(9.7%)、「1年後」(19.7%)がいずれも減少し、目先の業況が上向くとの期待は後退。一方、「業況改善の見通しなし」は3.7ポイント上昇の21.9%となった。従業員規模別では、従業員10人以上の階層では、軒並み「すでに上向き」が「業況改善の見通しなし」を上回っているが、9人以下の階層では正反対の結果となって、規模による二極化の様子が大きいといえる。
2023年の自社にとっての経営リスク(3つまで回答)については、「原材料・仕入価格のさらなる高騰」が 79.3%と最も多かった。次に多かったのは「原油・天然ガス等のエネルギー価格高騰」(40.9%)となっており、仕入価格のさらなる高騰を警戒する中小企業の姿が浮き彫りとなっている。なお、「コロナなど感染症の感染再拡大」は 31.3%となり、「コロナ融資の返済」は 8.9%にとどまった。
同調査結果は