帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、12月の倒産件数は592件で、前月比では3.9%増加、前年同月比でも18.2%増加し、8ヵ月連続の前年同月比増加となった。この増加期間は2019年9月~2020年4月に並び、件数としては依然低水準が続くものの、コロナ禍以降最長の増加基調が続いている。業種別にみると、建設業を除く全業種で前年同月を上回った。
一方、負債総額は687億1400万円(前月1286億2700万円、前年同月975億5900万円)となり、前月比では▲46.6%、前年同月比でも▲29.6%の減少となった。前月比、前年同月比ともに大幅減となり、12月としては1972年以来、50年ぶりの低水準となった。負債1億円未満の小規模零細企業が多数を占める。12月の負債額トップは、新電力事業(PPS)の(株)シナジアパワー(破産、東京都)の130億円だった。
業種別にみると、建設業を除く全業種で前年同月から増加。小売業(前年同月101件→121件、19.8%増)では、飲食料品小売(同14件→24件)が5ヵ月連続で前年同月比70%以上の大幅増となり、全体として3ヵ月連続で二ケタ増加。メーカーと小売業者の板挟みで価格転嫁問題に直面する卸売業(同58件→73件、25.9%増)でも、生鮮魚介など飲食料品卸売が3倍に増加するなど、前月に引き続き食料品関連業種の倒産増加が目立った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は356件(前年同月比21.1%増)で、5ヵ月連続の前年同月比増加、構成比は60.1%を占めた。負債「1億円未満」は98件(同66件、48.5%増)と、4ヵ月連続で30%以上の大幅増となるなど、小規模零細企業が全体の4分の3を占め、中小零細規模での倒産増加が目立った。資本金規模別では、「個人+1000万円未満」が422件(同26.3%増)発生した。
地域別にみると、中国地方を除く全地域で前年同月を上回った。近畿(前年同月117件→155件、32.5%増)は、京都(同9件→20件)や滋賀(同2件→10件)などの大幅増加が全体の件数を押し上げた。関東(同206件→219件、6.3%増)では、神奈川(同25件→46件)が80%以上の大幅増を記録したこともあり、全体として2009年8月以来の8ヵ月連続の増加となった。
同倒産状況の概要は