今月の値上げは580品目、来月は4000品目超で予定

 この春までは食品値上げのラッシュが続く。帝国データバンクが発表した「食品主要105社の価格改定動向調査」結果によると、2022年末までに決定した、23年中の飲食料品における値上げ品目数は、4月までの予定を含め累計7390品目にのぼった。品目数は前年と同じ時期(22年1~4月)に比べて約60%多かった。1回あたりの平均値上げ率は18%に達し、前年同時期の平均値(11%)からは7ポイント高い水準だった。

 2022年に比べて大幅な価格引上げを行う企業・食品が多く、値上げ率が大きく高止まりする原因となっている。このうち、2023年1月単月の値上げは580品目だった。前年11・12 月に続き3ヵ月連続で1000品目を下回る水準。ただ、2月には22年以降で2番目に多い規模となる4000超の品目で値上げが控えるほか、3月も既に前年同月を上回っており、春先にかけて値上げラッシュの第一波が到来する見通しとなっている。

 2023年の値上げは前年の原材料価格の高止まりに加えて物流コストなどの上昇、急激に進んだ円安などの影響が長引き、コスト上昇分を緩やかに価格へ反映する動きが目立つ。特に、近時は落ち着いた推移を見せているものの、前年初めに比べると大幅な円安水準であることもコスト増に拍車をかけ、改定幅を大幅に上回るコスト増に直面したことも値上げラッシュが長期化する原因となっている。

 2023年の値上げで最も多い食品分野は「加工食品」の3897品目だった。全体の半数超を占めたほか、かまぼこなど水産練り製品や冷凍食品などを中心に2月に値上げが集中している。次いで、焼酎や輸入ワイン・ウイスキー、リキュール類など酒類を中心にした「酒類・飲料」(1446品目)、ドレッシングや醤油、つゆ・たれ製品を中心とした「調味料」(1417品目)と続いた。

 嗜好性の強い「菓子」(526品目)では、本体価格の引上げではなく内容量減による価格維持=「実質値上げ」の傾向が目立つ。原材料でも、家庭用オリーブオイルなど「食用油」で再値上げの動きがみられた。このうち、1月単月の値上げでは「加工食品」が最も多く378品目だった。ツナ缶などの水産缶詰製品のほか、お好み焼き粉といった加工粉製品、パスタソースなどが中心で、1月の値上げのうち約半数を占めた。

 同調査結果は

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230101.pdf